鈴芭

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はじまりはじまり。後編

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それは一瞬だった。


移動教室のとき君を見つけた。
一目惚れだった。

僕は話したこともない女の子に恋をした。



「おーい、雪音ー」

「......わっ、な、なに?」

「お前、ボーッとしてどうしたんだよ」

「いや、ちょっとね」

「一目惚れとか?笑」

「はぁっ?!な、なんでそんなことっ...」

「あ、図星だろ」

「うるせぇ!和樹だって一目惚れしてたじゃん」

「あー、そんなこともあったな」

「んだよ、さも昔のことかのように...」


そこに、女子が1人やってきた。


「ねぇねぇー。そこの男の子!」

「え、俺?」

「(おっ雪音、告白じゃん。がんばれよ)」

「は?ちょっと待っ...」

「用事あるんで先行っとくね~」

和樹は、風のように去っていった。
気を使ってくれてるんだろうけど
雪音にとってはいいおせっかいだ。

「あの...私ね、E組の佐伯 凪沙って言うんだけど」

「あ~知ってるよ。佐伯さん美人で有名だもん」

「え、そうなの。えへへ...それでさぁ、」

「あ、俺は風間 雪音。よろしく
  で、佐伯さんが俺になんか用?」

「用事っていうかぁ、風間くんとぉ
  仲良くなりたいなって思ってね」

「そ、そうなんだ...」

「LINE交換しない?」

「いいよ。でも、女の子から言われたの初めてだ」

「そうなの?風間くんモテそうなのになぁ」

「そうでもないけどね笑」



後から風の噂で知ったこと
彼女の名前は  桐嶋 波留
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