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〖212〗どうして?
しおりを挟む透明の液体や、或いは尿を垂れ流して性暴を受け止める。
乱暴に打ち付けられる杭に泣き叫ぶ声を聞きながら、彼の肉棒はさらに硬くなっていく。
勢いよく引き抜かれた頃、腹の奥でゴポリと濁った音がした。
「とても興奮しました」
朦朧とする意識の向こうで彼は言った。
「私に縋り、絶望する貴方を手篭めにして欲望をぶつけるのは·····まるで貴方が·····───」
最後の方はよく聞き取れない。ヨダレを垂らす唇を奪うように翻弄され、軽く絶頂する。
彼は笑っていた。
離れてゆくテイラーを引き止める一言さえ紡げない。
ガチャリ。聞こえたのは鍵の閉まる音だけだ。
しばらく動けないまま涙を流し続けた。
自分は、ずっと、こんなに恐ろしい計画をしていた奴らに協力していたんだ。
なんでここにいるんだ?
頭の中がぐちゃぐちゃでわけが分からない。
ジルがいなくても、生きていけると思った。
ディアゼルのみんなに会いたい。利用されたっていい。彼らは真っ直ぐに、自分が必要だと教えてくれた。あそこに生きる意味を感じていた。
だから絶対に諦めないと、強くなろうと決めた。
(それで、こんなことに?)
早く何とかしなければ。
(どうやって?)
1人では何も出来ない。
何をしても無駄なのだ。
どこにも、自分のことを信じてくれる人はいない。
(僕は、なんのために·····)
────コンッ。
「·····?」
───コンッ、コンッ。
外壁に何かが当たったのだ。
音から察するに、硬い石のようなもの。
強風の気配は無いし、ここは高床式の二階だ。
シオンはそっと窓辺に寄った。
「!」
岩の上に人がたっていた。
暗闇でもわかる翡翠の瞳が、こっちを見上げている。
(·····テオス·····)
この前よりも金装飾の多い服だ。
「開けろ」。
そうジェスチャーした相手の指示に従い、シオンは窓を開けた。
「·····テオス?」
「··········」
彼ははるか下の岩場からこちらを見つめたまま無言だ。
面持ちも固い。
もしかして、既になにか大きな問題が起こったのだろうか。
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