200 / 217
〖197〗いつもと違う彼
しおりを挟むシオンを置いて、バレンはベットの方へ行ってしまった。
数メートル先にはジェイがいる。ボタンに手をかけたシオンは、それを外すのを躊躇った。
ここには、テイラーも、彼もいる。
複数人の前で辱められるなんて、想像しただけで指先が震えた。
──ジェイに懇願したら、この罰は免れるだろうか。
(そんなの嫌だ)
シオンはぶんぶんと首を振った。
自分の人生をめちゃくちゃにしたクズ野郎。
ずっと利用されてたことにも気づかずに彼だけを想っていた。
情けなくてたまらない。
こんな奴に助けを求めるわけにはいかないんだ。
「エル」
背後のベットがギジリと鳴る。
「全部脱いで、こっちおいで」
バレンの片手には、紐に吊るされた細長い球体があった。
それはひとりでに激しく暴れ回っている。
時折、チウ、と、変な鳴き声が聞こえた。
(あの中に、何か入ってる·····?)
暖かな気候なのに、指の先だけが冷たい。
シオンはシャツを脱ぎ、次にパンツを下ろした。
「下着も」
バレンが言う。
戸惑いながらも下着を脱ぐ。素っ裸になると、生暖かい風が身体を撫でた。
後ろは振り返らないまま、ベットへ向かった。
「早く」
「っ!」
腕を引っ張られ、マットの上へ転がり落ちる。
「ほら、四つん這いになって、お尻をこっちに」
彼は指示をするだけだ。
前までの優しい淫撫が嘘みたいに機械的なそれを聴きながら、シオンはうつ伏せになり、尻を突き上げた。
ふっ、と、笑い声が聞こえてくる。
柱に寄りかかったテイラーが口元を隠す。しかし、青紫色の目は、蔑むように細められた。
「かわいいお口が丸見えですね」
「·····!」
「ああ、もう。邪魔しないでくださいよ」
バレンが鬱陶しそうに言い返す。
「恥ずかしがり屋さんだから、すぐ窄んじゃう」
「ひぁっ」
尻に、とろみのある液体を垂らされる。
甘い香りがしてくる。
じんわりと暖かな熱を持ったそれは、割れ目を伝い、蕾を濡らしていった。
「?·····?、?」
力を入れようとしても、まるで麻酔を打たれたみたいに体が言うことを聞かない。
1
お気に入りに追加
956
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
双葉病院小児病棟
moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。
病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。
この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。
すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。
メンタル面のケアも大事になってくる。
当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。
親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。
【集中して治療をして早く治す】
それがこの病院のモットーです。
※この物語はフィクションです。
実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる