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〖158〗勿体ない
しおりを挟むこめかみにキスを落としたテイラーが、唇を耳に押し付けたまま囁く。
ゾクゾクと大きな痺れがかけてゆく。
意識が飛びかけると、反対側の耳にバレンの鼻筋が擦れた。
「テイラーの声が気に入りましたか?」
「·····ぁん·····っ♡」
両方の耳に、それぞれ熱い吐息が落とされる。
腹の中で少し強く折り曲げられた中指は、2度目の絶頂と共にずるりと引き抜かれた。
「はぁ·····っ♡ぁ·····はぁ·····♡」
「またイッちゃった」
喉を転がすような笑い声が、鼓膜を犯す。
昼間、ふざけていた時とは別人みたいに婀娜な響きだ。
「もっと激しくしたら、どうなっちゃうのかな」
熱に浮かされた瞳は、じっとこちらを見つめていた。
(もっと?)
1度離れていった指が、湿った内腿を撫でる。
先程の手淫を思い出す。
あれが更に激しくなるなんて、絶対に駄目だ。
「や·····お願い····っ·····や、あっ、?♡」
片耳を、熱くぬめったものが包み込んだ。
テイラーの舌が、耳の奥で濡れた音を響かせる。
「ゃん·····っ」
どこを触れられて耐え難く心地よい。もはや薬のせいなのかすら分からなくなっていた。
「こんなに一生懸命に主張して」
耳奥に、直接声が吹き込まれる。
「こっちも可愛がってあげましょうか」
手袋を外し、裸になった指先が、立ち上がった胸の突起をつねりあげる。
テイラーは両の乳頭をしつこくこね続けた。
「エルの蕾から、指に吸い付いてくるみたいです」
意図せず強弱した孔に、再びバレンが触れる。
視線の先で、しなやかな指が新しい蜜に濡れてゆく。
「ひ·····っ♡いやぁ·····っ♡」
両方を同時に責め立てられ、カクカクと身体が震え出す。
今激しくされたら、きっとおかしくなってしまう。
「も、だめぇ·····っ♡·····お願い·····♡」
必死に懇願するが、指の動きを止めたバレンは、吐息混じりに笑った。
「あはは、安心してください、しませんよそんなこと」
優しく頭を撫でられる。
身体に蟠る熱を持て余し、知らず知らず涙が流れる。
ぼやけた視界の向こうで、カチャカチャと金属のこすれる音がした。
安堵した直後の事だった。
突如、ぐい、と、両脚を押し広げられた。
「指じゃ、勿体ない」
「···へ·······──·····あ·····っ"~~~、!♡♡」
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