155 / 217
〖152〗誰?
しおりを挟む男根を締め付け、絶頂を迎える。
イッている最中に最奥へ熱を吐き出される。
達してもなお熱り勃った彼が、激しく並行運動を始める。
あまりの刺激に飛び上がると、両腕をベットへ押し付けられた。
「あぁ♡だめぇ♡」
ズチュズチュと下品な音が響く。
見下ろした先で、腹の中を凶器が出入りするのを、信じられない思いで見つめていた。
「あっ♡あ"!はンっ♡だめ·····っ~~~っ♡♡♡」
注ぎ込まれた二度目の白濁が、泡立ちながら結合部を濡らす。
みぞおちの辺りまで、熱が押し上がる。緩んだ唇は濃厚なキスに犯された。
一線を超えてしまった。
流れにしてしまえば、一瞬。
長年の純情が壊れるには、あまりにもあっけなかった。
暗闇の中で、緑はギラギラと燃えていた。
こんな眼差しを、知らない。
(ジル?)
恐ろしい疑問を、直ぐに捨て忘れる。
彼はジルだ。
やっと見つけられた。
大好きで、ずっと恋しかったジルなんだ。
そう思わなければ、何かが壊れてしまう気がしていた。
「ん、ン·····♡」
ひたすら甘いキスに溺れる。
やっと内側から抜かれた男根は、長いキスの間も硬く反り上がっていた。
「もう·····っ」
何度目かの口付けを、弱く拒絶する。
唇がふやけて感覚がない。
逃げるようにうつ伏せになると、背中にキスを落とされる。
「ひゃん」
肩口に噛みつかれて、強く吸い付かれる。
ちょっと痛くて、それすら心地良い。
そして、何かが違うと、気がついた。
「はぁ·····ぅ·····っ♡」
穴をこじ開けた指が、溢れた白濁をナカへ押し戻す。
「や·····っ」
身を捩っても、緩やかな拘束の言いなりになってしまう。
体は、すっぽりと黒い影に覆われる。
「何が気に入らない?」
言葉通り、彼は決して無理矢理なことはしてこない。
多少強引なキスも、強く首を振ると、成されることは無かった。
「教えてくれないか?」
何も言わないのは、彼の方だ。
大好きな人だった。
3つしか違わない、本当はまだまだ幼かった背中が、懸命に自分を守ってくれた。
彼のためならなんでも出来る気がしてた。利用されたって、好きなようにされたって構わなかった。
(ジル·····)
頬に手を伸ばす。
目の前にいるこの男は、誰だ?
背中を、冷たい汗が流れた。
「もう、帰りたい」
気がつけば、そう呟いていた。
「どこに"帰る"んだ?」
懐かしい故郷と、優しいジルの待つ所。
もう、そんな場所はどこにもない。
とっくの昔に亡くなった幻想を、ずっと夢見ていた。
「あなたは誰」
相手は驚いたように目を見開いた。
11
お気に入りに追加
957
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
双葉病院小児病棟
moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。
病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。
この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。
すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。
メンタル面のケアも大事になってくる。
当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。
親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。
【集中して治療をして早く治す】
それがこの病院のモットーです。
※この物語はフィクションです。
実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。
【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる