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〖112〗ステッキ
しおりを挟む苦しくて、息ができない。
肺に力が入らないのだ。
「♡·····っ·····、」
ジリジリと腹の奥が焼けてゆくようだ。
死んでしまう。
逞しい肩口に寄りかかる。
プラグはゆっくり引き抜かれていく。
相手がこちらのSOSに気がついてくれたと思ったが違った。
次に、細長いスポイトで謎の液体を注入された。
「ん、ん·····っ」
得体の知れない物を体内に入れられればパニックにもなる。
しかし、派手に抵抗して、また鞭の痛みを味わうのは嫌だ。
「ふ·····っ·····ぅ·····」
シオンは大人しく震えていた。
「随分静かに鳴くペットだ」
「ええ、うちのはお利口さんばかりでして····」
「んぅ♡」
突如、長い指が差し込まれる。
2本同時に侵入してきたそれが、入口を押し広げる。
冷たい物ばかり与えられていたぶん、人肌は妙に暖かく感じられた。
電流の残った内襞がきゅんきゅん鳴いた。
「ああ·····いいね。ウブで、可愛くて····」
「ん·····っ♡、?」
「そのくせ、穴はこんなにとろけさせて」
広がった孔に、再びステッキを差し込まれる。
「すごく下品に鳴かせたくなる」
「んぅ·····♡」
注入された液体が、尻を伝い、相手の膝を濡らしてゆく。
まさかと思った頃、冷たい棒は最奥の突き当たりに押し当てられ──瞬間、強い電流が流された。
「~~~っ!♡」
涙が飛び散るのをぼやけた視界の向こうで見ていた。
立て続けに、鉄の塊が打ち付けられた。
「ん"·····!!♡」
巨悪な熱が、腹の中側を隙間なく埋める。
内側はビクビク蠢きながら彼を受け入れて、また痙攣した。
締め付けると、目眩がするくらい硬い。
シオンは仰け反りながら絶頂した。
「あはは、こりゃ"お利口さんな"ペットだ」
(·····あれ?)
喉元を指先で撫でられる。
目が合ったのは、紫の目をした男だった。
(エドワード·····?)
「ほら·····ご褒美が欲しいよな?」
「んぅっ♡」
トンッ、と、下から杭を打ち込まれる。
突き上げられたところから、甘い媚薬が漏れ出すようだ。
腹は未だ痙攣を繰り返しながら、そっとエドワードに絡みついた。
「ん·····♡」
「へぇ、中々可愛いコだね」
気に入ったよ、と、聞きなれた声が支配人に言う。
「気に入っていただき、光栄です」
(可愛い?)
「すっかり咥え込めて、いい子だ」
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(なんで?)
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