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〖104〗大丈夫

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「番」


「···············つがい?」


彼が髪をかきあげる。
よく分からないが、不覚にもドキリとする。
とりあえず、彼から逃げないと。


「ミ、ミオ、あの、あのね」


にこりと笑ってみせる。


「昨日、その·····」


思い出すと顔から火を吹いてしまいそうだ。
ロミオはしばらくこちらを凝視していた。
やがて、内腿に硬いものを押し付けられた。


「???」


完勃ちだ。


「だめだめだめ」


シオンは両手を伸ばして肛門を隠す。


「なまえ」

「?」

鼻先にキスされる。
さっきから、彼の行動が全く意味不明だ。


「し、シオン」


シオンは何とか呟いた。


「シオン」


眠たげな声が、耳元で囁いた。


「番にする」


つがいとは。
両手を頭上で押さえつけられてしまう。
身に覚えのある圧迫感のあと、体に熱を打ち込まれた。


「~~~っ!♡·········っ?♡·····あっ·····動いちゃ、だめ·······っ♡」


拒絶の言葉はキスで塞がれる。
ズルズルと引き抜かれてゆく熱が、また身体に打ち付けられる。


「あっ♡はあ♡あ、あん♡」


痛みはなく、すぐに甘い声が漏れ始めた。
最奥に何度か欲望を注ぎ込まれ、意識が曖昧なうちに全身を舐め取られる。
そしてシャワーを浴びるため連れられた浴室で、また身体を貫かれた。

シオンは彼がシャワーを浴びているうちに浴室を抜け出した。

裸のまま床にへたり込む。
駄目だ、彼から逃げないと死ぬ。本能がそう告げ、へっぴり腰で逃亡を試みるが、間もなくして後ろに気配を感じた。


「まだだめだよ」


振り返った先には、穏やかな声と裏腹に、凶暴にそびえ立つ昂りがあった。


「ひぃぃぃ」


だめなのはこっちのセリフだ。


「あっ」


がっしりとくるぶしを掴まれて、引っ張られる。



「ナカも洗う」


「ナカ?」


言ってることはよく分からないが、もう出来ない。
シオンは必死に首を振った。


「嫌だ、やだ、むり」


赤い瞳はみょうに毒気の抜けた色をしている。
こうしてみるといかにも無害な美青年だが、実の所とんでもないことはもう分かっているのだ。


「やだやだやだやだ」


こんなに嫌だって言ってるのに、なんでわかってくれないんだ。
シオンは幼い子どものように喚き──頭上に、ポン、と、かすかな重みを感じた。


「????」

「大丈夫」


長い指が頭皮を撫でてゆく。 
気持ちいい。寝不足なせいで安易に眠気を促される。
思わず欠伸を落としたとき、ヌプッ、と尻の穴にえもいえぬ不快感があった。


「ひゃんっ♡」










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