106 / 217
〖104〗大丈夫
しおりを挟む「番」
「···············つがい?」
彼が髪をかきあげる。
よく分からないが、不覚にもドキリとする。
とりあえず、彼から逃げないと。
「ミ、ミオ、あの、あのね」
にこりと笑ってみせる。
「昨日、その·····」
思い出すと顔から火を吹いてしまいそうだ。
ロミオはしばらくこちらを凝視していた。
やがて、内腿に硬いものを押し付けられた。
「???」
完勃ちだ。
「だめだめだめ」
シオンは両手を伸ばして肛門を隠す。
「なまえ」
「?」
鼻先にキスされる。
さっきから、彼の行動が全く意味不明だ。
「し、シオン」
シオンは何とか呟いた。
「シオン」
眠たげな声が、耳元で囁いた。
「番にする」
つがいとは。
両手を頭上で押さえつけられてしまう。
身に覚えのある圧迫感のあと、体に熱を打ち込まれた。
「~~~っ!♡·········っ?♡·····あっ·····動いちゃ、だめ·······っ♡」
拒絶の言葉はキスで塞がれる。
ズルズルと引き抜かれてゆく熱が、また身体に打ち付けられる。
「あっ♡はあ♡あ、あん♡」
痛みはなく、すぐに甘い声が漏れ始めた。
最奥に何度か欲望を注ぎ込まれ、意識が曖昧なうちに全身を舐め取られる。
そしてシャワーを浴びるため連れられた浴室で、また身体を貫かれた。
シオンは彼がシャワーを浴びているうちに浴室を抜け出した。
裸のまま床にへたり込む。
駄目だ、彼から逃げないと死ぬ。本能がそう告げ、へっぴり腰で逃亡を試みるが、間もなくして後ろに気配を感じた。
「まだだめだよ」
振り返った先には、穏やかな声と裏腹に、凶暴にそびえ立つ昂りがあった。
「ひぃぃぃ」
だめなのはこっちのセリフだ。
「あっ」
がっしりとくるぶしを掴まれて、引っ張られる。
「ナカも洗う」
「ナカ?」
言ってることはよく分からないが、もう出来ない。
シオンは必死に首を振った。
「嫌だ、やだ、むり」
赤い瞳はみょうに毒気の抜けた色をしている。
こうしてみるといかにも無害な美青年だが、実の所とんでもないことはもう分かっているのだ。
「やだやだやだやだ」
こんなに嫌だって言ってるのに、なんでわかってくれないんだ。
シオンは幼い子どものように喚き──頭上に、ポン、と、かすかな重みを感じた。
「????」
「大丈夫」
長い指が頭皮を撫でてゆく。
気持ちいい。寝不足なせいで安易に眠気を促される。
思わず欠伸を落としたとき、ヌプッ、と尻の穴にえもいえぬ不快感があった。
「ひゃんっ♡」
1
お気に入りに追加
954
あなたにおすすめの小説
【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる