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〖100〗伝わらない

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言ってしまってから、ハッと我に返る。
氷のように血の気のない美青年は、言葉を理解しているのかいないのかさえ分からないような表情で、シオンを見下ろしていた。


「うぅ、·····っ♡も、おかしくなっちゃ·····っ♡はあ·····ぁう·····♡」


彼には伝わらない。
シオンは精一杯腕をのばし、自らそこを慰め始めた。
 

「あぁ·····♡」


少し苦しいのが、癖になりそうだ。
けれど、全然足りない。もっと強くて、太い指が欲しい。


「ん♡ん♡はぁ、は·····あっ♡·····はぁ····っ♡」


一生懸命にそこを擦る。
中途半端な快楽は、かえって毒だ。


(ロミオが目の前にいるのに·····)


彼は、じっとこちらを凝視している。
きっと、穴の中まで丸見えだ。普段なら絶対にありえないのに、今はただ体が疼いて、頭がおかしくなってしまいそうなのだ。


「はんっ♡あん♡あ·····♡はぅ♡」


そっとまぶたを伏せる。


(太いの、欲しい·····)


今ここに入れて貰えたら、どんなに気持ちいいだろう。
想像だけで、キュンと下腹が疼いた時だった。


「あっ?♡」


太く角張ったものが、ずるりと奥を貫く。
驚くのと一緒に、内襞は、離すまいとそれを握りしめた。
ロミオの指だ。それが、肉壁を擦りながら、奥へ忍び込むように捻れた。


「あぁ…♡ミオ…っ♡」


ロミオがさらにこちらへ近づいてくる。
シオンの体は無意識にくねりはじめた。


「…あ…っ?♡あっ…♡」

びくりと肩が震え上がる。
彼の中指が、意外にも奥まで届く。
驚くほど長い指だ。ゆっくりと動きだすそれにあわせ、シオンは吐息を零した。


「あぁ…♡」


涎を垂らして悦ぶ少年は、昼間とは別人のように淫らだった。
ロミオは段々と彼の善い所を知ってゆく。
増やした人差し指と薬指は直ぐにそこへ馴染んだ。
シオンの奥は指を締め付け、味わうようにうねり狂う。

「あん····♡はぁ、あ····♡あ····きもちぃ····♡」


穴の中が激しくひくつく。
イきそうになった時、せっかく温めた指が抜けてゆく。
シオンは縋るようにロミオを見上げた。


「もっと·····♡もっと、してっ·····♡おねが·····」


 焦点がまばらだ。
媚薬で理性を飛ばしているらしい。
ロミオはふと、真下を見下ろした。


「·····?」


トランクスを突き破りそうなほど膨らんだ欲情があった。
眠っている時以外で初めての生理現象だった。
ロミオは再び、シオンを覗き込んだ。


「ミオ·····ほし·····っ♡」






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