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〖70〗入室者
しおりを挟むポロポロとこぼれる涙は、痛みや恐怖からというより、快楽のせいのようだ。
「まぁ、しゃがみこんじゃったら·····それはそれで良いけどね」
「んっ·····♡あ·····っ♡ぁ、んぅ·····♡」
ぱちゅぱちゅという水音がコンクリートの部屋に響く。
シオンは弱く痙攣しながら、優しくて執拗な動きに鳴いた。
図太い男根は繰り返し出入りする。時折聞こえる息遣いが、調子をおかしくさせた。
「あ~、締め付けやべぇ。おい、ナカに出すから、しっかり呑み込めよ·····」
耳元で濡れた声が囁く。
イったばかりなのに、またあの熱を受け入れるなど無理だ。
シオンはふるふると首を振った。
「待って♡い、ま·····ぁ♡·····っ♡だめ·····──あ"っ♡」
「··········っ」
最奥へ押し付けられたまま、濃い液体が身体へ打ち付けられる。
「あ·····やぁぁ·····♡」
ドクドクと流し込まれる時間が酷く長い。とうとう壁にへばりついたシオンは、2度目の絶頂を余儀なくされた。
「あぁあ·····っ♡はぁ·····あっ♡·····っ♡」
エドワードは失笑した。
突き出された尻は赤く色づき、結合部が丸見えになだ。
「·····んなに美味そうにくわえ込んで、何が『だめ』だっつーの」
孔を拡げてみると、そこはまるで生き物のようにパクパクと開閉している。
もっとと、男を誘っているようだ。
「エロすぎっしょ」
その後は、謎の不快感を払拭するかのように、何度もシオンの奥を嬲った。
「ふっ·····♡ひんっ·····♡·····あっ、あっ♡あん♡」
ひっきりなしに痙攣するナカは、最早何度絶頂を達したのかさえ定かではない。
(おかしくなっちゃう)
シオンは恥じらいを忘れ喘ぎ狂う。2度目の中出しを受け止めた時、ガチャリと扉の鍵が開いた。
「あ、おつかれ~」
エドワードが入室者に声をかける。壁に手をついているシオンは、相手を確認することができない。
こんな姿を他人に見られてしまうなんて。熱い涙が溢れ、目尻を伝っていった。
「·····何してる」
「ナニって、見りゃわかんだろw」
「·····。」
低い声は聞き覚えがある。
ソファの軋む音がした。
「順番は」
「俺の番」
2人のやり取りはそれだけだった。
この状況に意義を唱える者は、誰もいない。自分はこうされるのが当たり前なんだ。
シオンは惨めな思いで一杯だった。
クレイはエドワードの行為を止める理由も必要も無い。
分かっていたことなのに、裏切られたような気分になるのはお門違いだ。
「·····──へぇ、考え事?」
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