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〖14〗恐ろしい真実
しおりを挟む「!?」
ギョッとして顔を背けるシオン。
男同士なんだから気にする必要は無いはずだが、妙に意識してしまう。
無理もない。
自分は昨日、彼に抱かれたのだ。
この、美しい獣のような身体に───。
シオンはブンブンと首を振った。
「見ろ」
リヒトが軽く屈む。
シャツの間から、浮かび上がった胸筋が上下していた。
「·····え?」
中央に、円型の物体が埋め込まれていた。
肌へ埋め込まれたコアの周りを、破けた皮膚が醜くくっついている。
シオンは言葉を失った。
「お前が俺達を呼んだ」
『外れか·····行くぞ』
8年前のことを思い出していた。
彼らは誰かを探しているようだった。
一度のみならず、2度も襲撃に遭遇した。
そして新しい故郷は決して豊かな土地ではなかった。
ではなぜ、彼らは村を襲ったのか?
(僕のせいだ)
自分がいなければ、村が滅びることも、両親が死ぬことも無かった。
シオンは両手で口元を覆った。
もうひとつ、あることに気づいてしまった。
複雑な紋章が刻み込まれた、古い硬貨。
嫌な動悸に、呼吸が浅くなる。
コアは、ジルに預かった硬貨に瓜二つだった。
胸元に手を当てる。
部屋に置いてきたんだった。
早く確認しなければ。
シオンは気が気でなかった。
「エルの能力は、選ばれし者と契る事によって、初めて開花する」
リヒトが先を続ける。
「お前は、俺達と定期的に交わうだけでいい」
激しい痛みと、恐怖と、屈辱。
そして抗えない快感に支配される感覚。
シオンの身体が強ばった。
「だぁいじょーぶだって」
エドワードが可笑しそうに笑う。
「お前は、さっきみたいに言うこと聞いて、善がってれば良いんだよ」
ね、と囁いた彼は、ふと隣の人物を見やった。
「なぁリアム、こいつ具合だけは最高だぜ?」
彼は言いながら、2本の指で頬をつまむ。
「や·····っ」
「せいぜい可愛がってやれよ」
強く引っ張られて、泣きそうになった頃手を離される。
そんなシオンを、赤い瞳が見下ろした。
「あ·····」
奥の瞳孔は闇に滲むように赤黒い。
視線が外せなくなる。
相手はこちらから興味なさげに視線を外し、椅子から立ち上がった。
「あ、おいリアム」
エドワードが呼び止める。
扉を開きざま、リアムは面倒そうに振り返った。
「先にやってろよ。俺は最後でいい」
目の端に寄せられた深紅は、まるで冷たい炎だ。
心底興味のなさそうな態度。こちらを相手にすることを避けているようにも見えた。
ズキリと胸が痛む。
こっちだって、抱かれたい訳じゃ無い。
ふと、頭上に影が落ちた。
「ついてこい」
クレイがシオンの腕を掴む。
部屋へ連れ戻されたシオンは、否応なしにクレイに抱かれた。
「大人しくしてろ」
クレイが口にしたのは、挿入前の一言だけだった。
部屋には、暫く、漏れるような喘ぎ声と、軋むベッドの音だけが響いた。
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