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〖12〗彼のシャツ
しおりを挟む「あ♡はぁ♡は·····っ♡あ·····♡」
自分さえ触れたところの無い粘膜を、他人の熱が脅かしている。
それも、人を殺すことさえいとわない海賊の───。
「なぁ、俺とリヒト、どっちのがイイ?」
彼は巫山戯た質問をなげかけてきた。
「あっ·····!いやぁ·····♡抜い·····」
「答えろって(笑)」
「あ"っ♡」
暖かな肉壁は、感覚が麻痺する迄擦られ続けた。
「聞くまでもないか」
数回目の絶頂と同時に、腹の最奥に熱いものが打ち付けられた。
「あぁ♡ん、ン·····♡」
ドクドクと注がれたそれのせいで、腹は更に苦しくなる。
信じられない。
結合部を見下ろしたシオンは、泣きそうになって、下唇を噛み締めた。
しかしその間さえ、襞はエドワードに絡みついていた。
「あー、いいねぇその顔·····」
惨めな表情に、怯えながら悦ぶ未熟な身体。
シオンの姿はエドワードの加虐心を唆った。
「はぁ、はぁ·····っ♡あ、あっ♡ぁ、あ···ひゃん♡あぅ·····♡」
喘ぎ声は突く度甘くなってゆく。
しつこく蹂躙されたあと、震える肉壁に、2度目の欲を吐き出される。
「·····んひぃ·····っ♡」
勢いよく引き抜かれた肉棒を追いかけ、白濁が溢れ出る。
エドワードは下唇を舐めた。
「舐めろよ」
シオンの髪を引っ張りあげる。
無理矢理咥えさせようとすると、押し殺すような嗚咽が聞こえてきた。
シオンはボロボロと涙を流していた。
「はぁ~?」
エドワードが、勘弁してくれよと天を仰ぐ。
「これだから嫌なんだよ、餓鬼は」
威圧感のある声が大きくなる。
これ以上怒らせれば、何をされるかわかったものでは無い。
シオンは忙しなく目元を拭った。
「ごめ、なさ·····」
「あー、うるせえ!」
乱暴に拘束を解かれる。
彼はさっさとベットを離れ、ベルトを締めながらこちらを振り返った。
「ボケっとしてないで、さっさと準備しろ」
新品のシャツを投げつけられる。
先程の余韻はない。
「??」
慌ててベッドを降りるシオンだが、バランスを崩し、床に倒れ込む。
脚に力が入らない。
エドワードの拳は、苛立たしげに壁を凶弾した。
「·····何してる」
無表情が僅かに眉をひそめる。
エドワードはそんなクレイをじとりと睨みつけた。
廊下の突き当たりでばったり鉢合わせた二人──いな、三人。
クレイはエドワードに抱き抱えられたシオンを一瞥し、あと数ミリ顔を顰めた。
身体に大きすぎるシャツはエドワードの物。
頬には涙の跡がある。
「·····」
再びエドワードを見返すクレイの表情は、どこか疑うようなそれだ。
「·····チッ!」
彼はとうとう大きな舌打ちを落とし、シオンを抱えたまま早足に廊下を歩きだす。
クレイもエドワードに続き、先を進んだ。
扉を開けると、部屋には既にリヒトとリアムがいた。
2人は机に広がった地図を眺めている。
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