悪魔皇子達のイケニエ

亜依流.@.@

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二章

re.《429》救済

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呆気なくイきそうになったら、不意に指の動きが止まる。
何か言う前に唇を塞がれて、ヨハネスよりも熱い舌に翻弄される。

(もうすぐ、いけそうだったのに♡)


「ん、ぅ♡♡んちゅ♡♡」


またそこをかき混ぜて欲しくて腰を揺らす。
良い子にしていたらシてくれるかと思って、一生懸命舌を絡める。しかし、なかなか動かしてくれないのだ。
歯がゆくて、とうとう泣いてしまった。


「ぅ♡♡ヒック♡ンく·····♡」

「優しくしてやってるだろ?なんで泣くんだよ、なァ」

「ん·····♡♡」


アヴェルの声は笑っている。
意地悪されているんだ。馬鹿でも気がついて、そうとなれば涙を流すしかなくなる。
だって、彼は意地悪だから、この辛くて甘い懲罰は暫く続くだろう。


「ふ、ぅ♡♡ヒック·····♡」

「あ?」

「ニャぁ♡」


聞き返してきた短い1文字に熱い吐息が絡んでいる。
チラリと見下ろした先に、そびえ立つ黒い鉄棒がある。見た目は恐ろしくて、自分をおかしくする、卑猥な凶器だ。
でも、それを嵌められると、脳みそがとろけるほど気持ちが良くなる。

(あれ、欲しいのに·····♡)


「·····───おいおい、どこ見てんだよ?」

「ミャア♡♡」


獣耳に甘噛みされて、ハッと視線を逸らす。
しかしまたすぐにそれが気になって仕方がない。寂しさと切なさに、抱えきれない不満が混ざる。

本当に、悲しくて耐えられないのだ。
怖くて、死んでしまいそうなほど恥ずかしい行為なのに、早く埋めて欲しくてたまらないのだ。


「うぅ♡♡」

「うさぎちゃん、よしよし」


とろけるほど甘やかされた猫なで声だった。

撫でられながら涙を流す。
それと一緒に、優しい手つきに安堵して、またヒクリと子宮が痙攣する。

漏れてきたのは、白濁と、それに混じった透明の粘付き。
後ろから吹きかけられた吐息には、興奮が滲んでいた。


「俺たちのせいで、えっちなことするの、大好きになっちゃったんだね」

「ん·····ッ♡ひっく·····♡」


慰めてくれる声に甘えて、新しい雫がこぼれる。
そう、全部、彼らのせいだ。
自分は悪くない。
あんなに卑猥でグロテスクなものを咥えこみたいなんて、思ってしまうなんて。

(も、欲しい♡♡)


「ぁ、ぅ♡♡」


ヨハネスなら、分かってくれるかもしれない。
いつも、優しく世話をしてくれるから。


「·····ね、も·····♡」


トロトロと愛液を垂らしながら、助けを求めようと彼を振り返る。


果たして、慄いてしまうほどの美形は優雅に微笑んだ。


「ここ、いっぱいグチョグチョで、切ないね」


分かってるなら、早く。
早く·····────。


「でも、お願いしてくれないと分からないよ」

「ふぇ·····?♡♡」

「うさぎちゃん」


うっとりするほど綺麗な瞳に見つめられて、セリフは少し遅れてから理解する。
大人の男のほほえみ。この表情は、誰かに似ている。




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