647 / 798
二章
re.《359》天国
しおりを挟む腰を掴んだ手は大きくて、湿った肌に張り付くみたいだ。
尻を揉むしなやかな指に、異議は一言だって申し立てられない。
じわじわ溢れる恥辱心でまた泣きそうになる。兎耳の付け根に少し強く噛みつかれて、とうとう視界がぼやけた。
それでも彼はやめてくれなくて、反対側にも噛みつかれながら、舌は執拗に耳奥を舐めた。
「ニャア♡、ぅン·····ッ♡」
「お耳舐められて、可愛い声でちゃうんだ·····?」
脳みそで水音がはじける。ゾクゾクする刺激を与えられながら、濡れた蕾が開かれる気配がした。
そこは柔く収縮しながら、卑しい蜜を温めていた。
「やぁ·····♡」
力が入らなくなった脚を開かされて、またあの陰湿な視線に犯される。
「何回犯しても処女みたいな穴」
下賎な評価に怯えながら、彼にされるがまま恥部を晒し続ける。
あの舌が覗く。
見せつけるように差し出された熱が、しばらくとせずそこを拭った。
「ふぁぁ·····♡♡」
ピッタリくっついた唇に吸い上げられ軽く絶頂する。
ルビーとは全く違う。貪るのにも近い、不規則な舌の動きだ。
敏感なところなのに、そんなにめちゃくちゃにされたら、数分後どうなってしまっているのだろう。想像だけで恐ろしいのに、それよりも奥がキツく締め付けられる。
わけがわからないまま喘ぐしかなくなる。
暫くとせず、彼の腕にしがみつきながら絶頂していた。
「·····──あァっ♡だめぇ♡」
彼の舌は止まらない。
それどころかどんどん奥へ進んでゆく。
いつか見せつけられた長い舌を思い出して、ミチルは震えながら首を振った。
「やぁぁ·····♡」
次は辞めないと言っていた。
彼は、子宮の中までかき混ぜるつもりなんだ。
「らめ·····♡·····──ふぁぁぁ·····♡♡」
足の指先をピンと伸ばしながら快楽に耐える。
「安心していいよ」
脅威の相手はそう囁いた。
乱れたシャツから覗く屈強な上半身。
血管の浮き出た腕。
そして、ギラギラと光る肉食獣のような瞳。
どこをどうとっても、安心することなど到底·····───。
「すぐ天国見せてあげるからさ」
152
お気に入りに追加
2,279
あなたにおすすめの小説


【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

その捕虜は牢屋から離れたくない
さいはて旅行社
BL
敵国の牢獄看守や軍人たちが大好きなのは、鍛え上げられた筋肉だった。
というわけで、剣や体術の訓練なんか大嫌いな魔導士で細身の主人公は、同僚の脳筋騎士たちとは違い、敵国の捕虜となっても平穏無事な牢屋生活を満喫するのであった。

私に姉など居ませんが?
山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」
「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」
「ありがとう」
私は婚約者スティーブと結婚破棄した。
書類にサインをし、慰謝料も請求した。
「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる