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二章
re.《319》マナの供給
しおりを挟む「まさか、そんなこと····················すごく嬉しいよ·····」
もしかしてゲテモノ好きになったのかと思ったが、そんなことなさそうだ。
特に今は、マナを温存するのにかなり無理があったという。
確かに顔色は良くない。
「じゃあ、まず·····キスしてもいい·····?」
(キス?)
キスとは、あの唇と唇のキスのことか?
聞き返す前にそれを理解する。高い鼻が傾けられたからだ。
路地裏でキスされた記憶がよみがえる。
あの時はなぜあんなことをしたのか分からなくて混乱したが、なるほど。マナを吸収するためにはこうする必要があったのか。
ミチルは理解して大人しくする。
程なくして、柔らかな感触。
触れては弾ける口付けを、啄むように繰り返される。
なんか、暖かくて、ふわふわする。
ただのフレンチ・キスなのに、唇の先が敏感だ。
見慣れない美形がじっとこちらを見てる。
食事のためとはいえなんだかいたたまれない。
思わず目を逸らした時、しかし予想をはずれた自体に、ミチルはギョッと目を見開いた。
「ん·····ッ、!」
ぬるりとしたものが上唇を撫でた。
そして、隙間に入り込む。待ったをかけようとするも、両手はたまたまベットと彼の手に挟まれている。
「んぅ·····っ」
長くてよく動く舌だ。
舌に絡みつきながら奥へ入ってくる。すぐにチュプチュプと唾液をかき混ぜる音がし始めた。
「ふぁ♡·····んぅ·····ッ」
「美味し·····♡」
(美味しい?)
味わうように舐める動き。
彼は今、食事しているのだ。
こんなやりかただったなんて聞いていない。懸命に空気を確保しながら、身体から力を抜く。
(········ッ?)
口の中がヘンだ。
なぞられる度、粘膜がはじける。
それがだんだん喉奥まで広がってゆく。
「ん·····ッ·····んぅ······ふ····♡」
(まるで、口の中が)
「はぅ·····♡」
チュポンと水っぽい音が響いて、唇が離れてゆく。
ミチルはパッと顔を背けた。
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