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二章
re.《300》ここから
しおりを挟むその性格の上、疑う相手が最愛の人となれば徹底的になるのだろう。合理的で傲慢な面と臆病は紙一重で、それを守るための皮肉には最早感心する。
「ミチルが戻ってきたら、報告は俺が聴くよ」
今のダリアでは、きっとまた正当性のある言及に刃を差し込み、ミチルを追い詰めるだろう。
所謂ロジカル系ハラスメント。彼はコレで何度もミチルを泣かせている。
(それにしても·····)
月がまた傾く。
今まで、あの青年について様々な憶測が飛んだが、現在では新たな可能性が有力に浮かび上がっている。
使い方を知らないめちゃくちゃなコントロールでありながら、高位貴族であり、能力の洗練されたレイモンドの防御をも圧倒する高い源能力。
パワー量は天性の才能だろう。
悪魔が羽化するまでにかかる年月は、凡そ数年から数垓年にのぼる。
というのも、最古の羽化では、最長でどれほどかかったか記録がないためだ。
更に悪魔が成体に成長するまで、かかる年月はそれぞれ。
あの青年のコントロール力を見れば、周りに能力者がいなかったか、能力が発現したばかり──即ち、羽化してからの成長速度が驚異的に早かったと考えることが出来る。
そしてヨハネスとの戦闘で新たに分かったこと。
謎の波動と、血魔術の使い手。
あの波動が、もしも青年の故意的な企みでないとしたら?
「恐らく皇族の血が流れているだろう」
ルシフェルの後をダリアが続ける。
彼の身分は明かされたも同然だが、ルシフェルの中には、もうひとつの可能性が浮かび上がっていた。
どちらにせよミチルを待つしかない。
ルビーは月の満ち欠けを眺めながら、そっとグラスを傾けた。
「·····寝ちゃった?」
暖かな腹部が、規則正しく上下している。
抱きしめた時は強ばっていた筋肉も解けて、寝顔はとても穏やかだ。
「··········」
無言で、ちょっと腕に力を入れる。
ずっと求めていた温もりだ。
(ここから·····)
耳を当て、水が循環する腹の音、血液を確かめる。
とても濃厚なマナを生成する、もろくて繊細な身体だ。
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