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二章
re.《284》新たな事実
しおりを挟む「ところで、余命わずかの老耄の推測を申し上げてもよろしいでしょうか」
そんなちっぽけなことよりも、重大なことである。
レイモンドは言葉を続けた。
「彼は、皇族の血筋である可能性が高いでしょう。見落としていた遠い親戚か、または発現が遅れ、化石化して眠っていた"卵"やも知れません」
「ヨハネス」
ダリアが、同じく現場へいたヨハネスへレイモンドの意見を問う。
対して、ヨハネスは1秒の後に無言で頷いた。
ヨハネスも彼のマナを直接感じ取ったのだ。
極刑は免れない罪人。
しかしどんなに遠い家系であったとしても、皇族となれば簡単に死罪を下すことは出来ない。
彼に処分を下すには、家譜を解明する必要がある。
「これについては一先ず保留とする。口を効く条件は?」
立ちはだかるのは、一刻を争う問題だ。
ダリアの問いにルシフェルが告げる。
史上最も高度なその呪いは、ごくシンプルな構造。
大まかな縛りは、特定の人物と二人きりの時のみ口を効くことが可能だという。
「特定の人物?それだけか?」
アヴェルが聞き返す。
ダリアでさえ眉を顰める、不可解な条件だ。
地球界でいえば、即ちその人物と話すためだけに海を明け渡すような話である。
「あは、イカレ野郎」
ハインツェがくるくる人差し指を回す。
「まあ簡単なので良かったじゃん。早いとこ、そのド変態犯罪者に狙われた超不幸人連れてきてさぁ、とりあえずは異常気象の原因吐かせて、なんなら解決させて、レイモンドの呪いも解かせれば無問題」
「それがいい。あとの話はそれからだ」
時間も無いとアヴェルが同意する。
では、その特定の人物とは誰なのか?
其の名が上がると、最善策を編み出したはずのハインツェを含むその場の全員が───顔色を変えた。
「·····は?」
呆然と1文字呟いた声の主は、黄金の眼差しを険しくさせる。
狙いは、発言したヨハネスに対してだ。
「おい、なんでアイツの名前が出てくんだ?」
「ふざけてんのか」と唸る低音に被せ、軽薄な笑い声が続いた。
「へぇ、そう」
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