悪魔皇子達のイケニエ

亜依流.@.@

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二章

re.《276》閃光

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能力者。
───それだけでは無い。


「·····あと3人つかえてるんだ」

「·····?」


(3人·····?)

思考する暇は無かった。

一瞬光った閃光が、亀裂を作りながらこちらへ襲いかかる。
交わしかけたヨハネスは、しかし、それを受け止めて防御する他なくなった。
もしもレイモンドの作る結界へ直撃すれば、何千もの兵士が命を落とすだろう。

幸い、聖剣には敵対する相手能力や毒を無力化する、強力な付与効果が備わっている。

防御力は抜群だ。天界の宝物の一つでもあるそれの力を持ってしても────打撃は、その波動で木々を薙ぎ倒した。


「な·····────」


脳髄へ響くような振動と、ありえない自体。

こんなパワーは不可能だ。
やはり───ただの能力者ではない。


(彼は、まさか)


吹き飛ぶ瓦礫が頬をかすめる。


(まさか────)



『··─────····-҉』


呟いた相手の唇から、真っ赤な線が伸びる。
それが地面へたれ流され、色濃いシミを作る。
その間を時間に表せば、零点一秒にも満たなかった。





















「··─────····-҉」


高潔な血筋であるほど威力を増す、大地と生命に愛された能力。
その中でも更に選ばれた物しか得ることの出来ない、数千年に1人程度の力だ。

───聞き覚えのある、そんな呪文。

やがて天地が震え出した。
彼の命令に従い、全て・・が伊吹を灯したのだ。
この瞬間────この場は、全てが敵となる。


「離れてください、殿下!!!!!」


見下ろした先には、既に兵士の避難を終えさせたレイモンドがいた。

湧き上がる地上の憤怒と生き物が蠢き出す気配を、彼も感じとったのだろう。

切り裂く相手の攻撃は、レイモンドの攻撃と相打ちし空中で遮断された。


「へぇ·····」


薄桜色の髪から覗いたのは、魔力を込めた、密度の高い瞳。


(ロゼ色の瞳·····?)


「あんな能力者がいたんだ」


────気を取られていた。
その色が、どんな物よりも大切な者を連想させたからだ。













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