悪魔皇子達のイケニエ

亜依流.@.@

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二章

re.《270》褒美

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丁寧な言葉と、壊れ物を撫でるような手つき。
眼差しは獲物を前にした肉食獣そのものだ。


「ミャァ♡」


段々とそこに向かって滑ってゆく舌先に釘付けになる。
了承を得る前に、唇がいちばん敏感なところにキスする。

ゾクゾク駆け抜けてゆく快感に悶えながら、彼に褒美を明け渡す。
彼はそこを何度も舐め上げては、浅い所まで舌を入れて密をすくった。

一体、こんな変態行為をどんなつもりでしているのか。
喘ぎながらちょっとのぞきこんだら、そんな行為とは全く相容れない、鋭い美形がある。

荒く呼吸を繰り返しながら、ミチルは拒絶できなくなった。


「にゃぁぁっ♡♡」


舐められながら何度か絶頂した。
濡れた声をいくら出したって、器用な舌は侵攻を諦めてくれない。
固定された腿が震えながらまた絶頂する。ズルルと吸われる感覚に、一瞬意識を飛ばしていた。


「ふぁ♡」


突如舌が引き抜かれる。
そこは排泄よりも男を植え付けるためにあるような形状だ。
現に、ナカは切なくて寂しくて仕方ない。
ミチルはそっと、こちらを見下ろす男を盗み見た。

交わったのは一度きり。
今日で2度目になるのだろうか。

スラックスの方へ伸びた視線は、しかし別のものへ向かうことになった。


「·····へ·····?」


ジェロンが箱から取りだしたのは、黒くて長細い物体。
例の、ダリアから授かった張形だ。
それをこちらの前に持ってきて、ローションを取り出すでは無いか。

ミチルは全力で首を振った。


「それ、いや」


自然と溢れ出た、そんな不満に、自分自身ハッとする。


「それはご命令ですか?」


抑揚の少ない声に、うんとも言えなくなる。
当たり前のように玩具を取り出したのだ。嫌がる彼に、身体で奉仕しろなんて命令をできるわけが無い。


「ここで中断する事は致しかねます」

「·····えっ」

「先程施しを与えてくださると·····そう仰ったではありませんか」


これが、彼にとってなんの褒美になるのだ?

疑問は、拡げられた壺に張り型が密着すると、消え去ってしまう。










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