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二章
re.《222》なぜ?
しおりを挟む「ミチル様·····嬉しいです」
「にぁうッ」
首元に大人の男の低音が響く。
喜びが滲んだ声音にドギマギする。彼の膝が内腿を撫でたのが偶然では無いのを、もちろんミチルは分からない。
「どこまで受け入れてくださるかが、信頼の証にもなり得るのですが·····御慰めを許可していただけるほどとは·····」
「·····?·····ぁ·····っ、?」
そのまま、吐息をふきかけていただけの首筋にもキスを落とされる。
湿って、甘い針みたいだ。ゾクゾクした微量の快感が逃げていくのを追うように、何度もキスを落とされる。
震える指先は彼の指に絡み取られたまま、宥めるように撫でられていた。
慰めの許可?そんなの分からない。
でも、どこまで受け入れるかが信頼の証明になるって言っていた。
もう少しじっとしていたら、彼はわかってくれるだろうか。
少なくとも自分は、彼を極刑にしたい訳でも、ここから出ていって欲しいと思っている訳では無いということも。
「にゃんッ」
びっくりして彼の指を握り返す。
少し遅れて、耳たぶに甘噛みされたと知る。地面を転がすような笑みと吐息が、片首に甘電流を走らせた。
「びっくりしちゃいましたね」
「へ、ぅ·····?、ッ」
(なんで?)
さっきまで壊れ物を扱うようにキスしていたのに、いきなり噛み付かれたのだ。
訳が分からないまま、しかし拒絶できるはずの手も足も出ない。
鼓動がうるさい。
見つめてきたグレイは大人の色気を帯びている。
次のキスは頬だ。ミチルは非難することも出来ず、結局無言のまま体をふるわせていた。
「なぜですか?」
よく分からない問いかけが来る。
「嫌いな男を懲らしめるチャンスを逃すどころか·····」
「ふぁ♡」
足先がビクリと飛び上がる。
指を絡め取ったままの中指の関節が、恥骨をなぞり、そしてとうとう下着を撫で始める。
「その男を赦すために、一生懸命恥じらいに震えて、瞳を潤ませてる」
気を取られていたら、当たり前のようにシャツを気崩させられて、裸の肩口にも口付けられた。
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