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re.《154》手練手管
しおりを挟む耳元へ語りかける男の声に鳥肌が立つ。
尻を揉む指圧加減は絶妙だ。マッサージみたいな心地良さと、いたたまれないいやらしい長指にされるがまま、しばらく吐息を繰り返す。
それを了承とみたらしい。
いつの間にかスリーパーは取り上げられていた。
「ココも、可愛らしく主張なさって·····」
「ァんッ♡」
突如胸の実を抓り上げられて、そこへ熱が集う。
反対側も同じようにされる。
ちょっと痛いのに、そのあとすぐに指が離れてゆくと、上を向いて腫れ上がった突起二つは、妙に切なかった。
「スベスベなお肌が、とっても魅力的です」
「·····ん、·····♡」
腹や腰を撫でられながら、やがて両の手がパンツを脱がせようとしてくる。
「多少の強引さも必要ですが───」
思わず引き止めたら、それは中途半端に脱がされたまま、また隙間から指が入り込んできた。
「基本的には、求められる姿勢を保たなければなりません」
「ぁぅ·····♡」
「前戯や愛撫は、性器へかける刺激より丁寧にする意識でいましょう」
入口のふちは、撫でると云うより指先で揉みこまれた。
溢れる蜜が床を濡らしてゆく。
反対側が切なくて、さらに腰が揺れる。
レイモンドはまだ、決定的なところへ触れてくれない。
「·····最も、ミチル様のお相手となれば·····特に芳しい所へ夢中になってしまうのも無理はありませんが·····」
揺らす腰を指へ押し付けるようなアクションを起こして、やっと中指が入口を開く気配がした。
「ふぁぁ·····♡」
思わず盛れた甘声に、男の吐息が落とされる。
「嗚呼·····こんなに柔らかく蕩けさせて、本当に──·····いやらしい方だ·····」
あまりに色っぽい声と、卑猥にも聞こえる単語。
テーブルの上に唾液が滴る。
はふはふ息をしながら、やっと入ってきた指に絡みつくのを、後ろの男がどんな眼差しで眺めているかなど知りえない。
「ここではお辛いでしょう」
ベットへと導くレイモンドの手を取って、ミチルはそっと向こうにいた男の方を見た。
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