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二章
re.《143》可愛い主
しおりを挟む『初めのうち、暫く薬の投与はジェロンが適任かと』
レイモンドはダリアにそう提案した。
『常にミチル様のお側でお世話をしてきた者です。彼が差し出した薬なら、余計な警戒をせず受け入れるでしょう』
「·····」
騙す訳では無い。
ミチルがこれ以上自分を壊さないための方法だ。
「·····粘膜を保護するためのオイルです。お身体も楽になるはずです。継続的に塗り込むと効果がありますから、今日から試していきましょう」
語りかける声は、安心させるよう、できる限りゆっくりと、普段と変わらず。
「馴染むまで、力んではいけませんよ」
信憑性皆無の短い説明に、果たしてココア色のまつ毛は、震えながら頷いた。
「はぁ·····♡はぁ·····♡」
溶けるような甘い吐息。
時折切なくて泣き出しそうな喘ぎ声が漏れる。
穴はクヒクヒと暖かい湯気を湧かせている。
薬を注入するためにこちらの指で押し広げたら、「ニャァン」と、びっくりして、しかし力の入らない甘声がこぼされた。
魔法薬は吸い込まれるようにして飲み込まれてゆく。なんでもいいから、余程何か食べたくてたまらない様子のそこが、赤く頬を染めながらもっととスポイトを引っ張るのだ。
「お上手ですね」
ミチルは褒められるのが好きだ。
今だってこんなにいやらしいことをしているのに、そっと声をかけてやると耳をうなだらせて喜ぶ。
本当に可愛くて愛おしい主なのだ。
「ぅ♡」
今度こそ指をねだろうと見つめてきた瞳に、察しが悪いふりをしてキスを与える。
耳を撫でながら吐息を零したら、びっくりして見開かれたピンクは、しかし直ぐにとろけた。
魔法薬が馴染むまで、約3分は待たなければいけない。
「ジェロン♡じぇろん♡も、やぁ♡しゃわ、てぇ♡」
「·····ミチル様」
唾液を滴らせて懇願するミチルにそっと呼びかける。
口元を兎耳に押し立てたら、そこは脈を打つようにビクビクと震え上がった。
「ミチル様のお口が·····とても心地良いです」
「ふ、へ·····?へぅ·····ッ♡」
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