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re.《111》プライド
しおりを挟む胸元まで覆った腕が、ピタリと静止する。
そして何かを確かめるように、10本の指が平らな所を滑り始める。
(あ·····)
左側は中指が、右側は薬指が掠めたのは、通常よりもツンとした突起だ。
ミチルは、はくっと口を閉じた。
「·····うさぎちゃん·····ここ·····」
長い指は確信を持ってそこを撫で始めた。
自分でも、なんでそうなってしまったのか分からない。
抱きしめられて嬉しかったから。昨日乱暴されたのにそれだけで喜んでいるなんて知られたら、プライドも何もあったものじゃない。
「·····にゃ·····ッ」
指の腹でしつこく摩擦され、もどかしさに足を交差させたら、軽くつねられ、そのまま左右にひねられたりする。
優しい指使いなのに、やっていることは意地悪だ。
さっきまで謝っていたのに、どうしてそんな触り方が出来るのか。咎めないといけないけれど、まだ物足りない気持ち良さを甘受してしまう。
結んでいた口元は少しづつ緩んでいった。
「うさぎちゃん·····」
呼びかけられ、恐る恐る後ろを振り返る。
そっと唇を塞がれる。
しっぽをこすり付けた彼の股間はパンとテントを張っていた。
「ん♡ふぁ♡」
チュポン、と甘い音が弾けて唇が離れてゆく。
覗き込んできた高い鼻が首筋を擦り、忙しなく耳へ口付ける。乳首はその間もずっと擦られていた。
「はぁ♡はぁ·····♡ぁ·····♡」
「ピンク色、可愛い」
またキュンとつねられる。
それと一緒に、疼いては行けないところも素早く窄まる。
「舐めたい·····」
「·····だめ·····ッ」
「·····ん·····」
「·····♡」
熱い吐息が首筋に落ちた。
またキスされてしまう。
わかっているのに、受け入れてしまう。
だって、キスされながらこねられるのは気持ちよくて癖になってしまう。
これも、彼らに教えられたせいだ。
「ン·····♡·····にゃぅ·····♡」
「舌出して、うさぎちゃん·····」
指示されるがまま、ひっそり舌先を空中に出す。
白薔薇が咲くような微笑み。そういうに相応しい美顔が、また妖しく傾く。
甘いキスを味わいながら、ミチルはモジモジ足先を動かした。
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