悪魔皇子達のイケニエ(番外スピンオフは別紙へ移動)

亜依流.@.@

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二章

re.《109》ちぐはぐ

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しかし嫌われたくない。結局、いつも彼の言う通り我慢する他なかった。

明日ミチルが目を覚ましたら、事情を説明して謝罪しよう。
副反応だと言ったところで、言い訳にしかなり得ない。
それでも、許して貰えるならどんなことだってするつもりだ。

(それで·····)

いつか───あの可愛らしい声で名前を呼んで、「すき」と返してくれたら。
想像だけで、また安易に欲望が集中する。


「·····」


安らかな寝顔を眺めながら一人昂りを慰めたのは、ここだけの話である。













かくして今朝のヨハネスは、昨夜の自分を恨むことになった。
目を覚ますや否や、ミチルはベットの隅へ避難。ほんの少し手を伸ばしたら、鋭い鳴き声で拒絶された。

動物の本で読んだことがある。
いわゆる威嚇。敵や脅威、警戒する相手を遠ざける手段だ。


「うさぎちゃん、昨日は·····」

「いや」


これ以上無理をしたら、後ずさりすぎたミチルがベットから落ちるかもしれない。
気が気でなくて、ヨハネスは彼に近づくことを諦めた。


「·····ごめんね、うさぎちゃん·····」


絶望に打ちひしがれるヨハネスを睨みつけながら、ミチルは柱にしがみついた。


「やめてって、言ったのに」


責める言葉は、やはり声にならない。
人に怒りをぶつける手段が分からないからだ。
彼もそれを知って、こっちのことを好き勝手したのでは無いか?

そんな人じゃないとわかっている反面、悲しい気分になる。
またジェロンを呼び出して、面倒事は投げ出すのではないか?


「きらい」


自分を守るために、いつかも言った言葉を繰り返す。

こちらを見たヨハネスは悲惨な表情をしている。
会場の無表情が嘘みたいに素直なリアクションだった。
絆されるもんか。


「もう、お部屋に帰りたい」


自分だって彼を傷つけたいわけじゃない。
面倒なやつだとも思われたくない。
今は虫の居所が悪いのだ。相手をすればするほど、ヨハネスに嫌われてしまうのは目に見えてる。

だから、もう1人にしてくれ。
酷くされたのはこっちの方なのに──そんな不安ばかりがよぎって、面倒事から解放してやらなければと助け舟を出している。





















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