悪魔皇子達のイケニエ

re.《１０２》いじわる

とても長い間、彼の舌でそこを愛撫された。


「ふぁぁん♡♡」


時折落とされるリップ音が絶頂の合図だ。
物足りない舌や、あるいは愛液を含んだだけのナカが切なく脈打ち強弱した。

彼の顔が上へと伸びてくる。
いつの間にか覆い被さられて、体制は挿入される時のそれだ。押し付けられたベルトの金属は冷たくて、ちょっと痛く感じた。

それもすぐ愛液に濡らされ、どんどん温まってゆく。
わざとらしく擦り付けられたら、切なくてヨダレが垂れそうになった。


「うさぎちゃんの中、入りたい·····」

「·····ッ♡へ·····♡？」

「·····挿入れてもいい？」


カチャカチャとベルトの外される音がする。
話が違う。

お腹の上に落とされたのは、ずっしりとした生き物の気配だ。
熱くて湿っている。思わず見下ろしかけて、慌てて目を瞑った。

天使のような美貌の男は、それとは真逆の、グロテスクなオスの凶器を持っている。
一連の様子を見て、相手は恍惚と微笑む。
愛おしくて仕方ないものを眺めるような、そんな眼差しだ。


「ん·····♡ゃ·····♡··········だめ·····ッ♡」


バレてしまう。
挿入れられたら、ココが女性器と一緒だと。


「あぁ♡♡」


太い亀頭が緩んだ入口へ、グッと押し付けられる。

少し入ってしまっている。
勢いよく挿入れられたら、どうなってしまうだろうか。


(でも······ッ♡)


「えっちな顔·····」


柔らかい声に指摘されて、初めて表情を意識する。
口元は緩んでいた。眉は切なさに耐えるように下がって、瞳は腹のあたりをさまよっていたはずだ。
恥ずかしい。

隠そうとするも、両手は片手でベットへ押し付けられてしまった。


「ね·····もっと見せて？」

「·····やぁ♡·····ぁ♡ぁ·····ッ♡♡」


亀頭は入口あたりをしつこく出入りした。
開きかけた孔が閉じては開いてを繰り返す。
もどかしくて自ら吸い付くも、雄はまた離れていってしまう。



「やぁ·····♡」

「·····かわいい·····」


「隠したらダメだよ」と耳元へ囁いたのを最後に、両手が開放される。