悪魔皇子達のイケニエ

re.《９８》なぞる指

ピンクの瞳がチラチラと光る。
あまりにも愛らしい。いたずらごころで兎耳に甘噛みしたら、膝のあたりに濃い熱を感じた。


「噛まれるの·····すき？」

「·····！ちが·····ッ」

「かわいい」


ここを柔く噛まれただけで愛液を漏らすなら、もっと敏感なところを食んだら、どうなってしまうのだろうか。
妖しい煩悩を、ヨハネスは瞬時に捨て去った。

この伴侶は本当に可愛いのだ。
痛いのは嫌だろうからと、吸血欲望までずっと抑えてきた。
彼が痛みや恐怖で泣いてしまうようなことはしたくない。

噛んでしまったところを慰めるように舐めていたら、弱い力が肩口を押した。


「も、だめ·····ッ」





    ところで、ミチルの取り扱いは少し難しい。

壊れ物みたいに繊細だから、何よりも大切にしなければいけない。
それなのに、嫌と言いながら物足りなさそうにする。
叩きつけるように奥を嬲られて、膣を締めたりするのだ。

だからといって求めすぎたら、歯止めが効かなくなる。
いじらしくてたまらないけれど、悪魔的な矛盾が理性を苦しめる。

ルシフェルだったら、どうするか？
───あるいは、昨日見た光景を参考にしてみたら。


「うさぎちゃん？」


呼ばれて、肩口がピクりと飛び上がる。

桃色の瞳はこちらの身を焦がすほど切な気だ。
吐息が熱い。
小さな口から覗いた舌を見つけたら、思わずまたそこを塞いでしまった。











「·····ん·····♡」


ダメって言ったのに、彼はしつこく口内を舐めて、舌を吸い、歯裏をなぞる。
触れると、シャツ越しの体はがっしりして逞しい。

気持ちよくて流されてしまいそうになる。
お腹の下がまた熱くて切ない。今すぐにでも慰めたくなる。

もうこれ以上だめだ。
キュッと乳頭をつねった両手首につかまって、ミチルは首を振った。


「ゃ·····」

「俺と、えっちするの、いや？」


直球な質問には無言しか返せない。
彼はベストも脱ぎ捨てて、シャツのボタンをいくつか外した。
月の明かりで大袈裟な筋を作る首や手の動きがとてもセクシーで男らしい。

長い指がショーツをなぞる。











───お知らせ───


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