悪魔皇子達のイケニエ

二章

re.《７７》なんで？

前に否定して認めなかったこと。
彼が今からしようとしてるごっこ遊びは、自分のここが、女性器と変わらないかそうでないかの"審議"だ。


「周りだけ触ってみようか」


言うが早いか、長い指先が穴の周りの膨らみをなぞる。
そこは既に湿っている。
ハインツェはそれを楽しむように指先を滑らせた。


「あ～、濡れてるせえで指が滑って、上手く触れないな～」

「·····ッ·····や·····」 


ヌルヌルと動く指の腹が、穴の方へ滑っては外側へ戻る。
入るかと思っても入らない。震えだした肩口に、あっけないほど優しいフレンチ・キスが落とされる。


「ほら、また濡れてきた」

「ぁ、う♡ちが·····っ♡」

「ねぇチル」

「はぅ♡」


つぷりと、中が開く予感がした。
第1関節まで差し込まれた中指が、続いて第二関節まで入り、その区間を行き来する。
ミチルは生唾を飲み込んだ。


「ナカしっかりあっためちゃって·····お利口さんなの、ん？」

「·····ッ··········ッ♡·····ちが·····これ·····♡」


浅い所で繰り返される挿し入れに、ありえないほど口元が緩む。
切なくてもどかしい。
崩れそうになる何かを必死で堪えていると、「でもさぁ」と、彼は追い打ちをかけるように囁いた。


「布越しに擦ってキスしただけで濡れちゃってるよ？」


直接脳みそに押し付けられるような声だ。
なんでだろうねと猫なで声が問いかけるが、返せる答えはない。


「もっと欲しいよ～って·····ヨダレ垂らしながらきゅうきゅう引き込んでくる」

「ひぅ·····♡」


中指はそのまま、後を追うようにして人差し指も入り込んでくる。
チャパチャパと弱い水音が続いた。切ない快楽に浸っていたら、突如へその裏側を圧迫されて、足先がピンと背伸びした。


「ニャ·····♡」

「旦那様の指おいしいねえ」


少し勢いよく埋められて、滴った愛液が鏡に飛ぶ。それを確認して、これじゃ鏡の意味がなくなってしまうと、指はまたゆっくり出し入れを繰り返す。