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二章
re.《75》審議
しおりを挟む毒々しい美貌はすぐに嫌な笑みを浮かべる。
妖しい笑みだ。
この瞳に見下ろされると、自分がこの世で1番恥ずかしい存在になったように感じる。
「興奮してきちゃった」
「·····へ、」
思わず彼の下半身に向かった視線を、慌ててベットのシーツへと逃がす。
あんなグロテスクなものを想像してしまったなんて嘘だ。そもそも、怯えている伴侶を見て興奮するなんて、誰が聞いても酷い話じゃないか。
そう思うのに、歪んだマットと伸びた影に、心臓が早足になってゆく。
「てことで今から、審議に移りたいと思いまーす」
「·····?·····??」
ハインツェはよく分からないことを言いながら、今度は刃先で下着をつついた。
「チルチルが認めないから」
足先は大袈裟なほど飛び上がってしまった。
(何の話?)
話も分からないし、1番敏感なところにあてられる凶器ほど恐ろしいものは無い。
少し強く押し付けられたら、チクリとした痛みがあった。
傷つけないって言ったのに。
全く保証もない言葉を思いだして、じんわり目元が熱くなる。
目が合ったライムグリーンはにっこりと歪んだ。
「あ·····俺困っちゃうよチル」
彼は本当に困ったように言った。
高い鼻が傾いて、「ねえ」と首筋へ囁く。恐怖と、ゾクゾクした感覚に力が抜けてしまう。
少しザラついていて軽薄なのに冷たい感じがする、不思議な声色だ。
「ちょっとからかっただけなのに、んなカワイ~顔してさ·····」
「ふぁ♡」
耳元へ絶望的なことを言い聞かせながら、長い指は下着越しに蕾を擦り始める。
「いや·····ッ♡」
「ヤなの·····ほんとに?」
彼はいつもそう聞く。
呼吸はどんどん浅くなってゆく。
緩んだ口元を慌てて噛むと、ハインツェは耳元へ直接語りかけてきた。
「チルの身体、お口と一緒の答えにならないねぇ。俺チルの旦那サマなのに····ホントの事知れなくて悲しいなぁ」
「·····ッ♡········ッ♡」
「だからいい事思いついちゃったんだよね」
湿り気を感じとった指の腹が時折そこを弾いたり圧迫しながら、しつこく擦り続けるのだ。
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