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二章
re.《49》本心
しおりを挟む酷く戸惑った、孤独な独裁者がいた。
あの眼差しが、そして初めて、焦がれるように、愛おしげに名前を呼ばれたことが、どんなに恐ろしかっただろうか?
だってそのせいで、気付いてしまった。
ずっと誰かに愛されたかったのだと。
「あぁ·····っ·····♡♡」
欲しくてたまらない獲物が今、素っ裸でなされるがままにしている。
体を繋げて、誰でもないこの自分に子種を植え付けられるのだ。
なんて耐え難い景色だろうか。
「·····ぁ·····ッ♡、?♡」
突如大きさを増した凶器に、ミチルは戸惑った。
お腹の中が苦しい。張りつめた襞は限界まで引き伸ばされているのに、あらがうようにぬめって彼を味わおうとする。
そしてうろたえるしかなくなる。
こちらを見下ろす瞳がとても変だ。
「·····へ、·····ッ、♡、?」
頬を撫でたのは大きな手の平。
何かを確かめるようにされる触れられ方が、恐ろしいほど優しくて───。
「·····ぁん·····♡」
聞き抜かれてゆく男根へ内肉が縋り付く。
その様子を見下ろして、紫の瞳がランランと輝く。
恥ずかしくて足を閉じようとしたら、駄目だと叱られてしまう。
ミチルはどうすることも出来ず、下唇を噛み締めた。
「唇を噛むのも·····」
「あぅ"·····♡♡」
駄目だと、敏感になった耳元で囁かれた低音が唇を塞ぐ。
口内を撫でられながら、腿を滑った腕が裏ひざを持ち上げて固定する。
ゆっくりと、何度も最奥を打ち付けられ、甘く絶頂する。
少しの抵抗も許されない儀式だ。
ただそれだけのはずなのに、少し前までとは違う。
執拗な舌使いがやっと離れてゆく。
ちゅぽんと音を鳴らした唇は、少しふやけて、ゾワゾワする。
こんなの変だ。
変わらず恍惚とした瞳が、こちらをじっと見つめていた。
「お前の瞳は·····」
「···············っ♡♡」
「俺をどこまでおかしくするんだ·····?」
しばらく体を揺すられて、腟内にめいっぱいの欲望が注がれた。
あちこちへ落とされるキスと吐息に、思わず鳴き声が漏れる。イきそうなのを我慢していたら、高い鼻が傾いて、またそっと唇を塞がれた。
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