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二章
re.《28》青とグレー
しおりを挟む不意にノックの音。
数秒後に扉が開き、トレイの上に何かを持ったジェロンが現れた。
彼は震えて泣き出しそうなこちらとレイモンドとを交互に見、キリリと目元を厳しくさせる。
「何をなさっていたのですか?」
「いや、いや、勘違いですよ」
どうやらレイモンドがこっちを虐めたと思っているらしい。
あながち間違いでは無いが、この教育係が悪いことをした訳でもない。
仕方なくレイモンドに同意してやる。
訝しげな青い瞳とグレーがなにやら耳打ちし合う。首を傾げていると、こちらをチラと見たジェロンが、タオルと、トレイの上に置いていたボトルを手に近づいてきた。
「失礼致します」
かがみこんだ彼はブラウスのボタンを外してくるではないか。着替えさせられるのかと理解してされるがままになるが、ハーフパンツに伸びた手は、一緒に下着も剥きとった。
「!?」
そのまま軽く持ち上げられ、ベットへ運ばれる。当たり前のように素っ裸だ。
食べやすくした獲物を寝床へ持っていく獣みたいなそれである。
硬い手がくるぶしを掴もうとしてくるので、ミチルはベットの奥へ逃げ込んだ。
「にゃにするの」
「·····」
慌てていて噛んでしまった。
硬い美しさを思わせる顔面を片手で押しのける。「おやおや」と、もう1人の声がした。
「ニャにされちゃうんでしょう」
早速言い間違いで遊ばれる。
「という冗談はさておき·····私め共が、記念すべき今夜のご準備をお手伝いさせていただきます」
「へ」
「いいえ」
こちらを見つめた男は、レイモンドの申し出を即座に却下した。
「準備は私一人にお任せ下されば充分です」
「一人で充分なのであれば、ミチル様の心身を理解している者が請け負う方が、ミチル様もご安心かと思いますが」
なにやら言い合う2人にびくびくしながらシーツを引き寄せるが、レイモンドの発言を最後に、その場に静寂が訪れた。
「·····?」
こっちを捉えたブルーの瞳はマジだ。
なんだか怖い。
「授精促進薬を投与するよう仰せつかっております。脚を開いて、じっとしていて下さい」
「???」
(じゅせ·····なに?)
なにかの薬と言っていたが、必要ない。
何の薬かも分からないし、足を開けとは何事だ。
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