悪魔皇子達のイケニエ

一章

２００.嘘つき

「·····ちが·····っ♡」


じっと見つめてくる瞳は、こちらの様子を見ながら次の手を考えているようだ。

飛び上がった突起の目の前で、唇は密かに曲線を描いた。


「嘘つき」

「·····、！♡」


手のひらは内腿へくっつき、自分のよりずっと太い指が、躊躇無く蜜部へ食い込む。


「あぁ、凄い」


クチュリと聴こえた水温に、どうすることも出来ず目線を下げる。それ以上深くへ入らない中指が前後に動かされれば、酷く下品な音が響いた。


「とろとろだ」


リラックスしてと囁かれ、全くできるわけが無いのに、強ばった体からは力が抜けてゆく。


「何を考えたら、こんな風に濡れてしまうのですか？」


全身が骨抜きになったようにベッドに埋もれる。弄り回される孔だけに筋肉が集中し、かと思えばだらしなくとろけたりを繰り返した。

水滴はレイモンドの腕まで飛び散っていた。


「ん·····♡はぁ♡はぁ、♡ぁ♡ぁ、らめ♡ン···~~~ッ♡♡」


締め付けながらイッて、甲斐性もなくちょっとした噴水が出来上がる。達した余韻に震えていたら、胸元から神経が引きつった。


「ふぁぁん♡♡」


甲高い声を押し殺すことは出来なかった。
薄皮の乳頭は超絶技巧の舌先で踊らされる。パチャパチャ響く蕾の中で、彼の指は舌と良い勝負だった。
ミチルはまた呆気なく絶頂した。
そして次の絶頂は、なかなかゴールが見えなかった。


「も、やぁあ♡」


言葉を紡げない呂律で、必死に彼に「やめて」を告げる。

浅瀬を小さく、しかし高速で弄ぶ手の腕へ手を添える。引き留めようと思って掴んだら、浮き出た血管に恐怖を感じた。

行き場のない両手はグーパーを交互に作った後、レイモンドの頭を握りしめた。


「ひぅ"ッ♡」


必然的に彼に抱きつく形になると、いっそう強く乳頭に吸いつかれた。
汗ばんでいるのに大人っぽいコロンの匂いがする。一体どうなっているんだ？


「柔らかいお肌が、吸い付いてくるようです」


吸い付いてくるのは彼の唇の方では無いのだろうか。

見下ろした先で、鋭くなった乳頭が空へさらけ出される。
赤い舌先がそっと乳輪を舐める。そしてまた食べられてしまった。


「ん、ぅ"♡、ニャン····♡」


乳首を必死に吸う姿が赤ちゃんみたいだなんて、舌使いからは全く思えもしない感想が脳の片隅でチラつく。
またイッてしまう。