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一章
185.彼の計画
しおりを挟む子孫を残すことが使命と強く根付いている獣人の場合、特に自然と子宮が"入口の方"へ降りてくる作用もある。
説明が終わる頃、口いっぱいにそれを含んでいたミチルは、飲み込むのを躊躇った。
優しくて紳士的な彼が聞かせるのは、自分を孕ませるための計画だ。
それも、既に計画は三日前から始まっていて、ちゃくちゃくと受精しやすい身体に育てられていたという。
満月の夜は、結婚の契りの日を意味する。
"悪魔は子作りのために数日房事に没頭する"
結婚の儀のあと、執務に追われないよう、数日間分を今日までに片付けてきたという。
その理由が何故かをやっと理解する。
つまり彼は、結婚したら直ぐに自分を·····──。
「ミチル」
差し出されたのは、自分にとっては大口のスプーン。
溝には最後の一口がたっぷり乗せられている。
恥ずかしくて視線を逸らすと、名前を呼ばれ、受け入れろと促された。
「も、おなか、いっぱいだから·····」
彼の腕に添えた手に力を入れる。
ビクともしない。
硬い鉄のような腕だ。
感じたのは、少しの不安と妖しい気分だった。
彼からは逃げられない。
間違いのない事実が、安心と幸福を連れてくる。
彼は自分を決して捨てないだろう。
そう、確信できるから。
「ルシ、」
「ほら·····口を開けて」
優しくて大人っぽいのに、なんだかいけない感じがする、不思議な声。
けれど従いたくなる、甘い蜜みたいだ。
ひっそりと開いた口のせいで、端から少しこぼれてしまう。
これじゃ、きっと褒めて貰えない。
舐め取ろうとして伸ばした舌は、こちらを覗き込んできた気配に奪われた。
裸の身体をベットに押し倒されたら、捕食者と獲物の立場になった。
今日は何をしてたのと聞く声に、自慰をしたことまで素直に応える。黙っていても気が付かれてしまうし、隠し事は彼が悲しむからだ。
ふ、と吐息だけの笑みが髪を撫でた。
「どうやって?」
けれど喜んでくれることを知っているから、プライドを捨てて、か細く白状する。
見せてと囁かれるまま、ミチルは両腿を押し広げた。
「ん·····少し湿ってる。匂いもいつもより濃いね」
「·········ッ♡」
舌で舐め取り、濡れた指がそこを広げたりする。
脚は恥辱で震えた。
そして、そっと唇が重なり合った。
キスをしながら、満腹のお腹を撫でられる。たっぷりの量を完食したから、少し苦しい。
起き上がれない。まるで妊婦みたいだ。自分で思い描いたら、さっきのことを思い出して顔が熱くなった。
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