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一章
165.あたたかい
しおりを挟む頬を撫でた手、伸びた指の先に、ミチルはぱくりと噛み付いた。
「ふふ」
じゃれるように耳を甘噛みされる。
尖った牙が付け根に食い込むと、ゾワゾワしてたまらなくなる。
「愛してるよ」
毛先をくすぐる高い鼻が傾いて、鼓膜へ直接語りかけられる。
首に噛みつかれたら、咀嚼もなく呑まれてしまいそうな感覚に陥った。
首から鎖骨、鎖骨から胸元、そして鳩尾。少しづつ、彼の戯れがズレてゆく。
濡れて弾ける口付けの行き先を見守る。
口の中に入ったままの指が、不意に口内をくるりと一回転した。
「ミャ♡」
なぞる指先を追って、舌先が空中に伸びる。また口内に戻ってきた指を舐めるのに夢中になっていたら、上腹に重みが加わった。
「あたたかい·····」
「·····ッ、♡···?」
少し角張った頬が腹に押し付けられたのだ。
続いて、高い鼻の側面がへそ横を通り、いたずらに下腹部を圧迫する。
「ぁ───ん···っ♡」
押された裏側が軽く脈打つ。
こんな感覚、知らない。直接触られていないのに絶頂してしまいそうだ。
やがて泣き濡れた孔へ、彼の指がピッタリくっついた。
「·····ぁぁん····♡」
押し込まれる物体を、熟れた襞が包み込む。
一瞬苦しくて、しかし直ぐに切なくなる。
締め付けたら、頭上から吐息のような笑みがこぼされた。
「熱くて、火傷してしまいそう」
覗き込んできたルビーが乳頭へ口付ける。
力が入らないのに、腿は無意識に痙攣する。
「ミチル·····」
口元へ寄せた手には指を絡められ、恋人繋ぎでベットへ押さえつけられてしまう。
大袈裟な第一関節が浅瀬を出入りし始める。
揺れる視界の向こうで、ルシフェルはじっとこちらを眺めるだけだ。
「ぁ、あ····♡ひぅ、♡んんぅ·····♡」
また少し苦しくなる。
追加された指は簡単に腹の中に馴染んで、集中した神経を摩擦する。
「も、ゃ····──ひゃぅ····ッ♡?」
グチュッ、と、腹の中でくぐもった音がした。
目の前がチカチカ光る。
根元まで押し込まれた指が、再びへそ裏を叩いた。
「ぁ·····っ♡?」
「嫌?」
彼は不意に動きをとめた。
「じゃあ····どこが気持ちいい?」
「ここ?」と、さっきと同じ、変になってしまうところを圧される。
裏返った情けない声はじゃれるような口付けに塞がれ、ルビーレッドはうっとりとこちらを見つめてきた。
長いまつ毛が瞬く度、影の間から赤い輝きが差し込む。
こんなに性的で美しい顔立ちは、最早彼の魔力ともいえるのかもしれない。いつの間にか股を大きく広げさせられ、彼の指を3つも咥えこんでいた。
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