悪魔皇子達のイケニエ

亜依流.@.@

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一章

94.恐ろしい大悪魔

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「そーそー、俺にだけ濡らして·····コッチの方が、自分が誰の専用穴か分かってんじゃねえの?」


彼は言い聞かせながら指だけを動かし続けた。
酷く下品な発言だ。それなのに、心做しか、構えていたよりも甘い声音だ。

グチュグチュと濡れた濁音が漏れ出す。
こちらに向かって屈んできた大きな体躯から、サボンの香りがする。
ひくりと孔が疼いた。


「ぁん·····ッ♡」


(なんか、へん)


下半身から聞こえてくる粘っこい水音と、血管の浮きでた丈夫な腕。
こんなにしつこく愛撫されるのは嫌だ。いつもみたいに熱を押し込んで無理やりされないと、どうしたらいいのか分からない。

従った方が楽。
本当にそれだけだろうか?


「チルチル、俺の指気持ちいんだ」


人差し指も追加され、2本は互い違いにナカをぐちゃぐちゃかき混ぜる。
へその裏側が熱い。


「はしたないの、いっぱい出ちゃうね」


イキそうになるのを耐えて、限界まで眉を下げる。
激しい出し入れのせいで、付近の台には愛液が飛び散った。


「ひぁぁん·····ッ♡」


激しい波が切なさをとどろかせる。
内側から放たれた電流が身体を痙攣させる。尻はぬるい体液に浸っていた。


「よく出来ました」


ズルリと引き抜かれていった指先は長い舌が舐めとった。
臭いとか汚いと言いながら、なんでそれを舐めるんだ。
恥ずかしくて、ミチルはそっと下唇を噛んだ。

その後は彼の腕の上に座らされて厨房を出た。


"誰に泣かされた?"

"俺がそいつの鼻をへし折って、くり抜いた目を持ってきてやるよ"


美しい曲線を描く唇は、あの日恐ろしいことばかりを口にした。

自分の元から逃げようとすれば殺すと。絶望を感じ自害を試みれば不死身にさせられ、生涯嬲り飼いにしてやると宣言された。
呪いみたいな言葉だ。

それなのに、彼は時折、変な表情をする。


"俺のものになるって言えばいいんだよ"


自分を誰よりも痛めつけたのはハインツェだ。
そんな彼が、自分を虐めた相手を懲らしめるとか、願いを何でも叶えるとか言っていた。


(ハインツェは、なんで酷いことばかりするんだろう)

幾度となく考えた。
初めはただ遊んでいるだけだとわかった。
今だって変わらない。弱いものをいじめて支配したいのかもしれない。


"俺にすれば良かったのに"


あの日、彼はダリアに自分のモノを傷つけられた事が気に入らないみたいだった。
獣人の奴隷が欲しいのだろうか。
なら、顔にアザができているくらいで激昂したのはなぜ?

酷いことばかりされているのに、どうして彼のことを心配してしまったんだろう。
さっき彼らに触られた時は気持ち悪かったのに、なんでいまは嫌悪感がないんだろう。
これを告げたら、ハインツェはまた嘲笑うか、怒るだろうか?
それとも·····───。


「んで、俺がいない間、どんくらい輪姦マワされたの?」


薄暗い部屋の電気はつけないままベットへ下ろされる。
久しぶりのハインツェの寝室だった。


「ああやっぱいいや、こんなん聞いてもクソみてえな気分になるだけだし」


片手をヒラヒラ振りながら彼がシャワー室に消えてゆく。
相変わらず酷い言葉使いだが、今はそれよりも不可解な疑問が拡がっていた。


"こんな風に·····ベットに押し倒されて、喰われちゃう~って·····興奮してんだ?"


怖い思いをして耳が突出した初夜、彼は獣化現象をそう結論付けた。
獣化した自分の身体を触った他人はハインツェが初めてだ。

あの時は彼の言葉に唖然とし、さっきは欠損品という事実を再確認したら、怯える一方で、支配されることによろこびを感じている。酷いことをされるよりも、捨てられることの方が恐ろしいからだ。
独りよがりだ。
自分にとってハインツェは恐ろしい大悪魔で、彼が何を考えているかなんて二の次だった。

何故か今、ナイフのような言葉一つ一つを思い出す。


───嘘でもいい。


思い通りにならなければ気が済まない暴君が、嘘でもいいと妥協するほど手にしたいものが?
自信なさげに見えたのは気の所為に決まっている。

ハインツェは数分とせず寝室に戻ってきた。


「とっくに逃げ帰ったかと思った」












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