悪魔皇子達のイケニエ

亜依流.@.@

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一章

42.おしり

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腹の奥にも熱が溜まった。タガが外れたようにイク身体を眺め、濃金は恍惚と光る。

ミチルは彼に見届けられながら、存分に身体をくねらせた。







  風呂は、この前よりもぬるい湯に入れられた。
体を洗っていたのに、いつの間にか浴槽の中で中だしされた。2回くらいそれを繰り返し、やっとベットに戻った時、彼は呆れたようにため息をついた。


「お前って、まじで何も話さねえな」


彼は自発的な発言を望んでいるようだった。


「喋れるんだよな?」


ずいと近づかれて、頬に噛みつかれる。
食べようとしているのかと思って両手を握りしめると、彼は不服そうな顔をして離れていった。

食事の席でもちょっと話したでは無いか。
ミチルはポツリと呟いた。


「えさぶくろ」


アヴェルの独特な呼び方を真似したのだ。
彼は毒気のない顔でこちらを凝視し、数秒後声を上げて笑い始めた。


「餌袋を名乗る餌袋がいるかよ」


びっくりした。

大声にでは無い。
怒った顔ばかりだが、笑うと雰囲気が変わって、格好良さにみがきがかかる。


「今日もいいだろ?」


ギジリと軋む音がして、ハッとする。
体をくるんでいたバスローブを崩されながら、ベットへ押し倒される。


(な、なに?)


後ずさると腰を引っぱられ、首筋に固い顔を擦り寄せられた。
それが甘えるような態度にも見えて困惑してしまう。
彼が少しずつ下へと顔を移動させてゆく。

なんだか身に覚えがある。
アヴェルは股の間に入り込んできて、前例に違わずパッカリと脚を押し広げた。


「流石に柔けえな」


自分のここはおもちゃじゃないのだ。
目で訴えると、なぜか内腿にリップ音を落とされた。


「ゃ、ンっ」

「なんか濡れてねえか?」


普段からこんなもんか?と、彼が独り言みたいに話すたび、そこへ低い振動が伝わってくる。

挿入はしない、こっちは何もしなくていい、ただ匂いを嗅がれて、赤くふやけるほどしつこく舐め回される『例の』変態行為だ。
どうやらこれは恒例化するらしい。


「ひゃ·····っ·····ん、ぅ·····っ」


弱い所に舌が這われるのを見ながら、ミチルは思わず、彼の手を握った。


「··········」


別に悪いことじゃない。命と引き換えに、おしりとプライドを悪魔へ差し出したのだ。
物理的にだが。


「にァ、ぁ、ぅ」


ズズズ、と、下品な濁水音が部屋へひびきわたる。
絶対、わざとだ。でないとこんなに汚い音は出ない。

この鬼畜サディストヘンタイ大悪魔め。
「餌袋」に負けないように脳内で出来うる限りの悪口を考えて、固く口を結ぶ。
それも、数分後には不可能になっていった。






「はぁ·····っ♡あん·····♡にゃぅ"♡はぁ、ぁん♡ぅ♡」

「変わり身早えな、おい」


さっきまで声を我慢していたらしい小動物が、あられもなく鳴きながら絶頂する。
溢れてきたのを舐めとると、そこはまた嬉しそうに粘ついた蜜を滴らせた。
味わいながら、ついでに内腿に吸い付いて飾り付けする。

そろそろ解放してやらないといけないが、この匂いと鳴き声のせいで歯止めが効かなくなるのだ。


「お前、ダリアが好きなのか?」

「·····?·····ふぁ♡·····ぁんっ♡」


その返答がどうであろうと、自分には関係ない。どうでもいい事だったはずだ。

ミチルが、ダリアの返答に泣きそうな顔をした。
舞踏会の話題の時は期待するような眼差しで彼を見つめ、血色の良い頬がよく色付いた。

この餌袋は、これからも、あいつのことならさっきみたいに表情をくるくる変えて、時には涙を流したりするのだろう。
ダリアを想って一人でここを慰めたり·····───。

  アヴェルは思考を中断した。
だからそんなのは、自分にとってはどうでもいいことなのだ。
今彼はここにいる。自分の前で全て暴かれて、恥じらいもなく善がっているではないか。

(だからなんだってんだ?)

ハインツェとミチルが交わったことを想像した時にも感じたことのある、嫌な胸焼けに襲われる。
アヴェルは思考を断ち切った。

















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