悪魔皇子達のイケニエ

亜依流.@.@

文字の大きさ
上 下
39 / 798
一章

36.秘密事

しおりを挟む





彼の指が、第二関節でペンの先を叩く。


「なら·····ちゃんとごめんなさいして、本当のこと言わないと」


鏡の向こうの自分が、真っ赤な顔を濡らしている。
焦れったい刺激じゃもどかしくておかしくなってしまいそうだ。


「俺たち2人だけなんだからさ」


彼は秘密事を囁くように告げた。

ここには、ハインツェと自分、2人だけ。
もうここまで酷い姿を見せたのだ。彼にだけなら、情けなくねだっても、誰にも知られることは無いんだ。


「二ァ♡」


耳元、首筋に吸いつかれ、刺すような痛みを感じる。反対側にも顔を傾けられる。
赤い斑点ができた。


「ごめんなさい··········っ」


広い部屋に、頼りない声が呟く。


「ぁ·····♡············っ♡」

「どうして欲しいか言えるよね?」


口内に侵入してきた2本の指が、舌を揉み、ズルズル引き抜かれてゆく。


「んぅ·····♡」

「·····?」


ミチルは空いているハインツェの手を握った。
堅く角張って大きな手。それを、そっと蕾へあてる。


「····、·····♡·····っ」


無機質なものではいやだ。
彼の長い指ならへそ裏まで届く。そこが切なくて仕方ないから、沢山撫でて欲しいのだ。
いつもみたいに乱暴でもいいから、はやく、ナカに欲しい。


「·····あぁ~、はは」


ライムグリーンの瞳はランランと光っていた。
こんなに強い輝きを初めて見た気がする。視線を奪われているうちに、彼の手がペンの束を握っていた。

それは予告無く引き抜かれ、絶叫は強引に殺された。
密着した唇。とろけた舌に、鋭いものがあたる。
強く噛みつかれるのと一緒に射精する。
尻のナカの具合を確かめるみたいにして、侵入してきた指が激しくそこを攻めたてた。


「あぁぁん♡」

「うわ、どんどん出てくる」


彼の指が折れ曲がって下腹の当たりを強く押す度、じんわりあふれたものが飛び散る。
熱くて、痛いほど気持ちいい。
鏡を見たミチルは、酷い醜態を晒す自分と視線をからめることになった。

汚いところも全部丸見えだ。情けない鳴き声を響かせながら、いつもこんな顔をしていたのか?
ダリアがこんな姿を知ったら·····───。


「悪い子」


彼の手が止まる。
また、ひくつきが激しくなっていた時だった。


「ぁ·····もぅ、や····っ♡」

「いやって言いながら、今めっちゃ俺の指締め付けたけど?」


転がすような笑い声に、鼓動が早くなる。
まあいいやと、吐息混じりの声が言った。


(はやく動かして)


下品な願いを込めて彼をみあげる。


「今、他のこと考えてたよな?」


ライムグリーンは一瞬にして凍てついた。


「あー、せぇっかく盛り上がってたのに、まじで萎えたわ」

「ぁっ!」


髪を鷲掴みされ、ベットへうつ伏せに倒れ込む。
顔を上げた先に鏡があった。そして直ぐに、後ろに大きな影ができた。


「ね、馬鹿なの?何回言えば理解すんだよ、なァ」

「ニャぁ"·····っ!?」


尻に焼けるような痛みが走った。
アヴェルに叩かれた時とは比にならない。力加減は、本能的危機を感じるには十分のものだった。

更にもう1回、2回と、続けてたたきつけられる。
内側も外側も熱くて火傷しそうだ。
ミチルは泣きながら叫んだ。痛みを和らげるための方法はそれしか許されなかった。


「·····はっ·····叩くたびに出てくんの、コレ何?ねえ」


不意に、彼の指先が尻の頬を撫でる。
ヒリヒリして痛い。内側に伸びた指が孔をほじった時、そこは雨水を溜めた壺のように潤っていた。


「叩かれても気持ちいんだ?」


ハインツェの問いかけに、ミチルはプライドも捨て去り頷いた。
言われるがまま頷いているうちに、自分すらどっちが正しいのかわからなくなるのではと一抹の不安を持った。


「挿れてやるよ」

「·····ぁ·····っ♡」


赤く燃え上がった尻の割れ目に、ペンなんかよりずっと硬く、太くて長い棒を押し付けられる。

(そうだ·····)

ミチルはベットの上にちらばっているズボンへ手を伸ばした。
腕が酷く震えるせいで、なかなかポケットを見つけられない。

(あった·····!)


「なにしてんの?」
しおりを挟む
感想 78

あなたにおすすめの小説

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

その捕虜は牢屋から離れたくない

さいはて旅行社
BL
敵国の牢獄看守や軍人たちが大好きなのは、鍛え上げられた筋肉だった。 というわけで、剣や体術の訓練なんか大嫌いな魔導士で細身の主人公は、同僚の脳筋騎士たちとは違い、敵国の捕虜となっても平穏無事な牢屋生活を満喫するのであった。

私に姉など居ませんが?

山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」 「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」 「ありがとう」 私は婚約者スティーブと結婚破棄した。 書類にサインをし、慰謝料も請求した。 「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」

処理中です...