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一章
35.嘘つき
しおりを挟むこんなものを身体の中に入れるなんて有り得ない。
怖い。
首を振るが、程なくしてそれは実行された。
2本目を押し込まれてすぐ、3本目も注入される。少し苦しくて悲鳴をあげると、細めのペンを2本同時に追加された。
「ン·····っ、ゃ、あ、·····くる、し·····っ」
「あーこれ、アングル的にエロいなぁ」
ミチルは必死の思いで机にしがみついた。
手を離したら彼の膝の上に座ってしまうだろう。
そうしたら、今押し込まれている物はどうなるのか?想像だけで恐ろしかった。
「いかにも教室でヤッてますって感じで」
思い出になるねと、彼は1人楽しそうだ。
指先で押し込まれ、それが浅く出入りを繰り返した。
「ぃ、や·····っン··········ぁ·····っ♡」
「しっかり感じてんじゃん」
「·····ひぅ♡」
しっぽを撫であげたのを最後に、椅子が少し後ろへ退いた。
立ち上がったハインツェが自身のベルトをゆるめ始める。カチャカチャ響く金属音を聴きながら、ミチルはその場にへたりこんだ。
中に入ったペンがひしめき合って、壁を押す。
地面につくと痛くて、尻だけを少し持ち上げる。
情けなくて滑稽な姿だ。
「チル」
飛び出した凶器がこっちへ押し付けられる。
「どうしたらいいか、分かるよね?」
ミチルは助かりたい一心でそれを舐めた。
雄の匂いがした。時折少ししょっぱいような、苦いような味がして、咥えこんでも亀頭までしか入らない。
こんなに大きいものが、内側の粘膜をたたきつけていた。
実感すると恐ろしく、また、胸が妖しく高鳴った。
「·····ふ·····っ·····♡ん、ふ·····っ·····ンく·····♡·····?」
下腹が切なく疼いた。
救済措置としてペンを握りしめるが、入口だけが苦しくて、奥まで届かない。
自分でも知らぬ間に足を大きく開き、床へ腰を下ろしていた。
「あはは」
彼は心底愉快そうに笑い声を上げる。
舐めていた男根が、弱くこちらへ打ち付けられる。えずきながら、心細い絶頂を味わう。
「やべえ、そのポーズエロすぎ。どこで覚えてきたの?」
「ふぁ·····ぁん♡」
喉元を撫でられると、不覚にも何かが満たされる。
急かされ、またそれを咥えて唾液をのさばらせる。
チリチリ鳴る鈴の音が、先を急かすみたいだ。
脳みそさえ犯されてしまったんだろうか。
雄のにおいがだんだんと濃くなってきた。
お腹に突き進んでくる時と同じにおい。慌てて舌を動かすが、彼の熱は口内から抜き取られてしまった。
「まだだめだよ」
彼に抱き上げられ、教室を後にする。
移動中ミチルは静かに泣いた。中途半端に物質を押し込められた腹の中が熱くて熱くて、たまらなかった。
「うんうん、はやく欲しいねぇ、チル」
(欲しい?)
違う、と、ただ2文字が言えない。
欲しくなんかない。
あんなにはしたなくて暴力的な行為は嫌いだ。普段なら当たり前の思考が今はどうでも良くて、頭の片隅に飛んでいってしまう。
連れてこられたのは寝室だった。
ベットの上に下ろされると、たっぷり濡れたペンが襞をこする。
(もっと、奥·····)
そればっかりしか考えられない。
「チルチル、この前話したこと覚えてる?」
「·····っ♡?」
ベットの前に、大きな姿見が設置された。
映ったのは裸の自分。戸惑っていると、画面にはハインツェも侵入してきた。
「"気持ちよくない"·····って、言ったよね?」
後ろへ回ってきたハインツェに両脚を開かされ、そこが丸見えになる。
本来物を入れるべきでない穴が赤く蒸気して、何本ものペンを咥えこんではヨダレを垂らしている。
両腿を足で固定され、手は背の後ろでタイに拘束されてしまった。
「でもさぁ、チルチルの身体は、そうじゃないみたいだよ?」
充血した穴がヒクヒクと震えている。
これが本当に自分の身体なのか?にわかには信じがたい光景だった。
最初に触れられたのは、授業中酷く弄られた乳頭だった。
今度は揉むように、優しく撫でられる。
鏡の向こうの自分は惚けた顔をして、咥えこんだペンを一生懸命に締め付けた。
「ほら、この顔·····」
「や、ぁ·····♡」
後ろから高い鼻が覗き込んでくる。
命じられるまま舌を突き出す。口の中が唾液でいっぱいになるとキスを与えられ、舌を吸い取られた。
「にゃう·····♡、っ?」
「嘘付いたんだ?」
彼の指が、第二関節でペンの先を叩く。
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