悪魔皇子達のイケニエ

亜依流.@.@

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一章

34.ペン

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「·····っ·····」


温めるという言葉の通り、後ろから抱きしめられる。
傍から見ればただそれだけの事に、ミチルは声を殺した。

狙いを定めた指先が、シャツの上から肌をこする。
それは一際薄い両胸の皮の上で、しつこく左右に動いた。


「·····ぁ·····っ、」


慌てて口を抑える。
少し痛いくらいに抓りあげられて、今度はゆっくり円を描くように撫でられる。


「·····っ·········ゃ·····っ」

「チルチル、身体、震えてんね」

「·····っ♡」


耳元に囁きかけてきたのは、ベットの時と同じ、意地悪な声音が含まれたものだ。
授業中に、それも他人がいる時にこんなことするなんて。


「·····っ·····っ、?」


変な声が漏れないよう、なぜと、彼の瞳に一生懸命訴える。


「ん?」


もうこんなことはされないと思っていた。
ハインツェはクスクス笑っていた。


「言ったじゃん、俺の事見ただけで濡れる身体にしてやるって」

「·····っ!」


両方、同時にパチンと弾かれる。
ミチルは間一髪で下唇を噛んだ。
非難の言葉はひとつも浮かんでこなかった。


「ぁ、ぅ·····っ」


乳輪をくるりと撫でた指が、でっぱりを内側へ押し込める。
何度押し込められても、ピンと立ち上がってしまう。

視線の先で、彼の長い指先が器用に動き、ひたすら胸を蹂躙した。
少し身をよじるがしっかり抱きしめられてとても逃げられない。されるがまま胸だけをあそばれた。


「ああ、気持ちよさそうな顔してる」


鼓膜に響く低音さえ快楽の材料になる。


「だめだよそんな顔したら、バレちゃうよ?」

「·····、っ♡」


ツンツンとつついたのを最後に、両胸から手が離れていった。


「·····、?」


やっと開放されたのだろうか。
安堵するのは早かった。

見下ろした先に、シャツの上からでも分かるほど腫れ上がった突起があった。
布が擦れると、ジンジン熱くて痒い。
知らぬ間に熱っぽい吐息がこぼれた。


「触って欲しい?」

「!·····ちが··········──っ♡」


1度寂しさを感じた胸に触れられると、快感は更に強く感じた。
下着に濡れた質感を覚える。
相手にも伝わってしまったようだった。

それから残り約190分の講義中、ひたすら乳頭を弄られた。

授業なんて全く頭に入っていない。ただ早く終わってほしい一心で、震える両手を握りしめ、快楽に抗った。

胸だけで何度か絶頂した。
下着はぐちゃぐちゃだ。耳が出てフェロモンが振りまかれようが、教師に気付かれようが、ハインツェの一言で授業は続行された。


時計の針が終了1分前を指す。
もう少し、あと少しで、授業が終わる。
ミチルはやっと見えた希望に縋った。

教師が授業終了の兆しを話し始めた時だった。

背後から、彼が少し顔を傾けてくる。


「·····?」


親指と中指に抓りあげられた乳頭の先を人差し指の爪が掻く。
あまりにも強い刺激に、とうとう口元が緩む。
机上に唾液が漏れた。


「ニャァ·····ァう♡」


イク寸前で彼の手が離れてゆく。
前の方にいた教師は最後まで知らないふりを貫き通し、部屋を出ていってしまった。


「なかなかスリルあって、楽しかったっしょ?まあ序盤からバレてたけどさ」


背もたれにのけぞった彼がゲラゲラ笑っている。
酷いなんて、今更なんの意味も持たない。
身体は快楽に犯され、力が入らなかった。


「·····んぇ、泣いてんの?」


顔を覗き込まれて、慌てて俯く。


「ふぅん」


ハインツェが机の上に置いてあったペンを寄せ集める。
何してるんだろう。じっとしていると少し持ち上げられて、ズボンと下着を剥ぎ取られた。


「あは」


蒸れた匂いがした。
ミチルは恥ずかしさに目元が熱くなった。


「こんなに汚して、悪い子だね」

「ニァっ、♡?」


押し込まれたのは、指よりも細くて無機質なものだった。

(な、に?)


「チルチルお勉強なんて出来ないんだからさ」


冷たいし、なんだかすごく嫌な感じだ。
振り返ったミチルは絶句した。


「チルチルが大好きなことに使った方がお利口さんだよね?」


しっぽの間から覗いたのは細長い棒だ。
さっきまで、一応握っていただけのペン。
ミチルが侵入してきた物の正体を知ったのを確認し、ハインツェはもう一本をそこへ当てた。


「これからペンはこうやって使うんだよ」


彼は名案を思いついたように言った。


「細いから、何本入るか数えてみよっか」









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