27 / 793
一章
24.道具
しおりを挟む「ホント学ばないよね」
少し遅れて、手の甲をはたかれたと知る。
そこにはじんと熱がこもった。
「いいの?俺に逆らってさァ·····こんな細い腕·····」
「っ!」
宙を撫でるような声が言う。
無造作にこっちの肩を掴んだ手が、ほんの少し力を入れただけだった。
骨の軋む音がし、鋭い痛みが神経を拗じる。
ミチルは恐怖に打ち震えた。
「分かるまでお仕置しないと駄目?」
「ひ·····っ」
優しく頬を撫でるこの口元こそ、自分の血肉を貪るためにあるようなものだ。
「どうしたらいいか分かるよね?」
いつ誰が来るかも分からない広場。
ミチルはいつかのように、ひっそりと股を開いた。
ろくに解されず凶器を押し込まれた。
鳴き声を我慢することさえ許して貰えない。チリチリ響く鈴の音さえ恥じらって、静かに身体を揺すられる。
「ひぁ·····♡ぁ、ぁ、ぁうっ♡」
僅か1分足らずで、首筋を撫でられるのと一緒に絶頂してしまった。
握りしめた男根が容赦なくナカをほじる。
時折通る風に脅え声を殺す。彼はそれを邪魔して楽しむように、少し乱暴に腰をうちつけてきた。
「あぁ·····♡·····だめぇ·········っ」
「もしかして決められた日だけ我慢すりゃいいとか思ってた?」
臓器が持ち上げられて、軽く吐き気を催す。
ハインツェは笑っていた。
「残念でした」
「ぁ·····~~~っ♡♡♡」
ドチュ、と、腹の奥で変な音がする。
鈴の音が妙に大きく聞こえた。
限界まで押し込められ、また引き抜かれて、弱い粘膜を嬲られる。
泣き叫んでも道具のように使われる。
「俺が脱げっつったら脱いで、股開けっつったら開けばいいんだよ」
なんでこんなに酷くするんだろう。
彼は、自分のことが嫌いなんだろうか?憎いのだろうか?
どうしたらこの拷問をやめてくれるのか、頭の隅で考えたりした。
「ぁん·····♡く、るし·····っ♡」
「あ~、締まる」
そうじゃない。
楽しんでるだけなんだ。
「ちゅーしよっか、チルチル」
最奥に突き刺された棒が動きを止める。
救いを求めるようにして伸ばした舌が絡み取られ、背中を褪せた電流が流れてゆく。
「ん·····ふ··········っ··········♡」
キスをしている時は少し動きが優しくなる気がした。
だから必死に舌を絡めた。
「あは·····チル、かわいいの」
「·····~~~っ"!♡」
みぞおちの辺りが熱くなる。
余すことなく注がれた白濁はそのまま、また彼の欲棒が動き出す。
「にゃぅ"♡」
「安心しなよ」
口の中に中指と人差し指を突っ込まれると、鳴き声がひびきにくくなった。
殴るような腰使いのせいで奥が痛い。耳は怖いほど優しく撫でられた。
「俺のこと見ただけで濡れる身体にしてやるからさ」
体の奥で、ドクドクと血液の音がする。湿った身体は好き勝手に揺すられ、とどめに首筋へ歯を立てられる。
(痛い)
引き裂かれて、食われてしまったらどうしよう。
皮が破けたそこで、彼はボソリと呟いた。
「似合ってるよチルチル」
「········ひ、ぃ"·····♡♡」
限界まで迫った熱が噴射する。
大きな物質が奥から抜ける時、また強制的に絶頂させられる。
性欲処理のように場所も選ばず抱かれるんだ。
未だ奥が痛くて、身体中が熱い。
こんなことをこれからも受け入れないといけないのだろうか?
さっきまで喜んでいたのはなんだったんだろう。
ぼんやり考えた時、ダリアの微笑みが浮かんだ。
下腹がきゅうとよじれた。
「首輪、それ以外のやつ付けるの禁止ね?毎日つけろよ」
俺との約束だよと、彼はベルトを締めながら言った。
「もし破ったら、次は引きちぎっちゃうかんね」
噛み付かれた首元がピリピリと痛む。
約束なんかじゃない。脅しだ。
ミチルは頷くことしか出来なかった。
本当の悪魔は、醜い見た目なんかしていないのだろう。
この世の者では説明が効かないほどの美貌と身体を持ち、獲物を弄び食うのだ。
「イイコにできたら、今度は2人っきりのところで可愛がってあげる」
不気味な口笛が遠ざかってゆく。
一人になると、ミチルはその場にしゃがみこみ、暫く動くことが出来なかった。
冷たい床には酷い顔をした自分が写っていた。
123
お気に入りに追加
2,268
あなたにおすすめの小説

アルファな俺が最推しを救う話〜どうして俺が受けなんだ?!〜
車不
BL
5歳の誕生日に階段から落ちて頭を打った主人公は、自身がオメガバースの世界を舞台にしたBLゲームに転生したことに気づく。「よりにもよってレオンハルトに転生なんて…悪役じゃねぇか!!待てよ、もしかしたらゲームで死んだ最推しの異母兄を助けられるかもしれない…」これは第二の性により人々の人生や生活が左右される世界に疑問を持った主人公が、最推しの死を阻止するために奮闘する物語である。

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!
ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。
「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」
なんだか義兄の様子がおかしいのですが…?
このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ!
ファンタジーラブコメBLです。
平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります♡
【登場人物】
攻→ヴィルヘルム
完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが…
受→レイナード
和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。
執着攻めと平凡受けの短編集
松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。
疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。
基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)


【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる