悪魔皇子達のイケニエ

亜依流.@.@

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一章

21.嫌い

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初めて、少し強引な態度だ。抵抗する間もなく中を突かれながら、近づいてきた顔に脇を舐め上げられた。


「ニャ·····っ·····ぁぁ♡」


ズンズン進行していた肉棒が、突如最奥へ叩きつけられる。


「俺の、うさぎちゃん·····」


仰け反りながら絶頂する。腹の中心に濃く、熱いものが溜まってゆく。


「俺の·····」

「·····ぁぁん·····♡♡」


自分の声じゃないみたいだ。

イッてからも、彼はゆっくりと棍棒を行使した。

腹の中はグチャグチャだ。
愛液と精子が混じって独特の匂いがする。
ヨハネスはこっちの首筋に忙しなくキスを降らせた。


「いいこ、いいこ」

「··········?·····っ♡·····?♡♡」


よしよしと頭を撫でられ、キスをしながらも、反り上がった男根は奥を撫で続ける。
十数分くらいそうされて、また最奥に熱を吐き出された。入ったままの男根を締め付けると脈がこっちと一緒の気がした。


「ぁん·····♡ミィ·····っ·····はぅ·····にゃァァ·····♡」

「ふふ、可愛い·····」

「·····?·····ニャア·····♡」


鳴き声を抑えられない。
彼はこっちの様子を見て愉しんでいるみたいだった。
そうやって、ミチルはしばらく──半ば気がおかしくなるまで弄ばれた。
シーツはおろかマットまでグチョグチョになった頃、彼はミチルのナカヘ何度目かの精液を閉じ込めた。







「うさぎちゃん·····」


その声には、もう騙されない。
ミチルは毛布にくるまり、ベットの端の更に後ろでうずくまっていた。

──3度目の射精中出しを経てやっと引き抜かれるかと思った熱は、その後1時間あまり体に突き刺さったままだった。
その間ひたすら耳を舐め回され、絶頂とともに失禁してしまった。

そもそも、一回目のおもらしで中断してくれても良かったでは無いか。この歳で、しかも二回も失禁するなんて想像もしてなかった。
そんなわけで今はショックに打ちひしがれているのだ。


「うさぎちゃん」


少し胸が痛むくらい悲しげな声だが、もちろん無視させてもらう。
数分後、ヨハネスは部屋を出ていってしまった。


「·····?」


どこに行ったんだ?
ほっとする反面、少し嫌な気分になる。なんでかは分からなかった。

モヤモヤした思いはだんだん冷めて、悲しくなってくる。
本当に分からない。
ヨハネスはすぐに戻ってきた。

扉が開く音に喜ぶ自分がいた。
しかし振り返った先にはヨハネスと、そしてジェロンがいた。

ジェロンに引き渡されたとき、ミチルはさらに嫌な気分になった。
面倒くさい子供を世話係に押し付けるのとおなじパターンか。
気が済んだら、もういいんだ。


「うさぎちゃん、またね」


頭を撫でようとしてきたヨハネスから逃げて、ジェロンの後ろに回る。
シワのないスーツを握りしめると少し安心した。


「ごめんね」


絹のこづつみを差し出される。
そんなのいらない。優しい振りをして、結局彼は新しいおもちゃとおままごとをしたかっただけなんだから。


「嫌い」

「!」


ジェロンの後ろから少しだけ顔を出して言い、すぐにまた隠れる。
少し楽しかったのに。裏切られたみたいでさらに悲しかった。

彼に何を望んだんだろう。
ミチルは鬱陶しそうにこっちを見下ろすジェロンに知らないふりをしてくっついて歩いた。


「もてあそばれた」


部屋に着いた時、ミチルは耐えきれなくなって呟いた。
愛情とかは望んでないと確かに決めていた。今だってそれは変わらない。
しかし、彼が甘やかすから、持ち上げて落とされた感じになるんだ。

だから言ってやった。
決して、これっぽっちも、心なんか許してない。嫌いだと。

つぶやきに返答が無い。ミチルはこれでもかと言うほどジェロンを見つめた。
根負けしたのは彼の方だった。


「·····悪魔界では、夫婦間の夜の不仲は権威の損失に直結します。子孫を残すという最大の目的が成されないためです」


告げられたのは関係なさそうな話だった。
時刻は日付けが変わる一刻前。ミチルは諦めてベットによじ登った。


「不仲を疑われる恐れがありながらなぜミチル様をお帰ししたのか、合理的には説明致しかねます」


ジェロンが羽毛をかけ直してくる。


「どういうこと」


聞き返すと浅いため息が聞こえてきた。












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