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〖第五十三話〗

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「ステファンさまっ♡や·····あん"っ♡」


欲望を引き抜き、再び勢いよく挿入する。


「ぁあ♡」


ネロは呆気なく中イキしてしまった。


「あ、あ♡だめ♡だめっ♡♡」


「さっきまで早く動いて欲しくて泣いてたのに、今度はダメなの?」


言いながらも、動きは止まらない。引き抜いた肉棒は、勢いよく刺しこんでは、ゆっくりと抜かれてゆく。それが何度も繰り返された。

ネロは雄が引き抜かれる度、切なげに眉を下げた。


「はぁっ♡ぁ、はぁん♡」


少し浅くすると、寂しそうに指を噛むのがたまらなくいじらしい。


「ネロ·····」


その両手をそっとすくい、ベットへ押し付ける。
不安げにこちらを見上げたネロに体重を掛け、最奥まで熱を押し込む。ネロは震えながら悦んだ。


「あぁ♡きもちぃ、のっ♡だめ·····~~~っ♡!」

「あはは、何回イくの?」


舌を絡めてキスをする。
ステファンは口付けをしたまま、最奥をえぐり続けた。


「ん、ふ♡んぅ♡ぁ、んう♡ぅ♡」


ぱちゅんっ、ぱちゅんっ、と、肌を叩く音が響く。
ネロはいつの間にか、自分からも腰を揺らしていた。


「あっ♡んふ♡ぅん·····♡」

「·····」

ステファンはふいに唇を離した。


「はぁ·····っ♡」



ネロの両足を限界まで押し広げる。今度は容赦なく、深くまで腰をうちつける。


「あぁっ!♡」


(深い·····!)


目を見開いたネロに、ステファンはニッコリと微笑んだ。


「ネロは優しいのと激しいの、どっちが好きかな」


「ひ·····っ♡優しく···──ひやんっ♡」


ぱん!と、高い音が鳴る。
限界まで押し込まれた肉は、ネロの身体におさめるにはあまりにも長かった。

「あァ♡」


ゆっくりと引き抜かれる時間は長く、


「あ"ん♡」


尻を叩くように、禍々しい棒を打ち付ける。


「あっ!♡ぁ、あん♡ゃ、あっ♡」

「·····っネロ、出すよ·····」


絶頂を達して波を立てる最奥へ、白い熱が吐き出される。
たっぷり注がれた精液はそのまま、痙攣する身体をうつぶせにさせられた。


「あ~~~っ♡ぁぁぁあ♡♡」


背後から何度も突き上げられる。
ネロはビクビクと震えながら、絶頂は留まることを知らなかった。

蕾はめくりあがっていた。
色の濃くなった内肉が腫れ、挿入されるたびに弾力を増す。
ネロは尻だけを突き出して倒れ込んだ。


「はう♡」


二度目の中出しをしてやると、ネロはまた透明の液体を滴らせた。


まるで、精液を喜ぶように内襞が痙攣していた。


「ネロ、中に出されるの、気持ちいいね」

「あん♡あ──っ♡んぅ♡はぁん♡」

「まだイってるの?」


ちゃぷちゃぷと揺れる腹に、舐めるような肉棒の挿入を繰り返す。


「こぼれたらいけないね·····」


ステファンが囁きながら、ネロの口元に人差し指を差し込む。
熱い舌は、甘えるように絡みついてきた。


「ネロ·····」


ステファンはネロを膝の上に座らせた


「あんっ♡」


奥へ突き刺された弾痕が、ゴンと中心を叩く。
目の前で火花が散った。

どうして、こんなに感じてしまっているのか、分からない。
いやいや抱かれているはずだったのに、いつの間にか彼の熱に飲まれて、慈愛の瞳に安堵している。


「ネロ」


名前を呼んだのは、イヴァンではない。
それなのに、腹の奥が切なくて、胸が苦しくなる。
美しい碧眼と見つめあう。
体の中心で、彼の血液が脈打っていた。


「愛してるよ、ネロ」

「───────ぇ、?」


ネロは目を見開いた。
最奥で繋がった熱が、身体中をビリビリと痺れさせるみたいだ。

愛してる。

たった五文字が、何度も脳内で再生される。
恍惚としたスカイブルーが、ネロだけを見つめている。


「愛してるんだ·····」

「あっ♡」


ずん、と、突如下から迫られる。
ネロは卑猥な水音と共に、甘い声で鳴いた。


「ぁ·····あ"♡っ、ぁ、♡んくっ·····っ♡」

「俺なら、ネロを悲しませたりしないよ」


エメラルドの光が、弾けて消える。
彼は、自分を捨てた。そしてまた新しい愛玩奴隷を抱くのだ。

「今日で、イヴァンへの想いを断ち切らせてあげる」


一度熱が引き抜かれる。
ネロはベットに押し倒され、再びゆっくりと熱を差し込まれた。


「あぁぁぁあ·····~~~っ♡♡」


腰をくねらせながら、ネロはステファンのそれを強制的に受けいれる。


「·····は、····入れただけで、イッちゃったね」


「う、そ·····♡ぁ♡·····あっ♡」


下半身がじんと痛む。


「もう、他の男に抱かれることなんて出来ないよ」


目の前の男は、恍惚と微笑んだ。


「もうすっかり、俺のものだ」


「…あっ♡まって、まだ♡…あん…♡」


ぱちゅ、ぱちゅん、と、ゆっくり動き出すのに合わせ、ただ喘ぐ。

美しくて、恐ろしい人だ。
寂しくて壊れてしまいそうな何かが彼の中に見え隠れする度、ネロはどうしようもなく戸惑った。

教えこまれたのは、恥辱、悲しみ、痛み、快楽。
それだけの、筈だ。

だというのに、分かってしまっていた。
ステファンの温もりが、視線が、いつの間にか自分にしか向いていないことを。
そして、彼の切ない瞳が、自分を写して綻ぶのを知った。

彼は、自分を愛してくれた。


「あっ……」


精液を注ぎ込まれると、男根の代わりに、今度は2本の指が挿入された。

それが入口を押し広げる。


「あっ·····や·····♡」

「あはは、赤く熟れて、ヒクヒクしてるね……いやらしくて、凄く、愛おしいよ」


とろりと漏れてきた白濁に、ネロは頬が熱くなった。
こんな下品な姿の、何が愛おしいんだ。
反論とは裏腹に、口の中は甘い。


「──俺と生きて欲しい」


首筋に吸いつかれ、噛みつかれる。
押し広げられた孔を強弱させながら、ネロはぶるりと震え上がった。




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