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〖第十二話〗
しおりを挟むネロは下唇を噛んだ。
「いいえ·····」
「·····」
再び彼の手が伸びてくる。
スリーパーの上から体を撫でられる。片手が服の中に忍びこんだ。
「…あっ」
心もとない手つきが、胸の突起を撫でる。
「…っ??…ぁ、んっ…」
冷えた指が、遊ぶように色づきをつまんだ。
ネロは上擦った声を上げた。
「あっ…ぅ…」
むず痒い快感を拾いながらも、一生懸命に口を押さえる。
優しい刺激が焦れったい。乳頭の先が熱を灯し、身体中に鳥肌が立つ。
ネロは、助けを求めるようにセシルへと視線を向ける。
彼は目が合うと、こちらへ向けていた視線をはずし、明後日の方向へ咳払いした。
裏切られた。なんて薄情な世話係だろうか。
「イヴァ、さま·····ぁ·····っ」
潤んだ瞳が、チラチラとセシルを気にする。
イヴァンは首を傾げた。
今朝、ここに触れた時は気持ちよさそうな声を上げていたが、今の様子を見る限り、どうやらあまり嬉しそうではない。
それとも、セシルに見られるのが嫌なのだろうか。
イヴァンはふむと息をつき、スリーパーの中から手を出した。
ネロの頭を撫で、ベッドから立ち上がる。
本当に、飼い犬にするようなそれだ。
ネロは赤らんだ顔でイヴァンを見上げる。
かきあげられてい左側の銀髪は、寝起きのため無造作に下ろされていた。
影の中で光るエメラルドの瞳がとても綺麗だ。
注ぎ直された紅茶のティーカップを片手に、イヴァンは部屋を出ていった。
執拗に弄られた乳頭がじんじんと痛む。ネロはスリーパーをめくりあげ、そこを見下ろした。
「自慰行為は禁じられています」
ベットの横に待機していたセシルが、顔色一つ変えず忠告する。
ネロは少しの間もじもじとしてから、でも、と口先をとがらせた。
「じんじんする·····」
「いけません」
服を下ろすように言われるが、乳頭はぴんと飛び出し、収まる気配がない。
今すぐに、強い刺激が欲しかった。
「セシルさん、ここ、触ってくださ·····」
「朝食を持ってきます」
最後まで聞かず、セシルはさっさと隣の部屋へ消えてしまった。
ちぇっと呟く。
しかし、疼きは少し収まったように思う。
ネロは、ベッドの外へ足を出してみた。
降りようとするが、勿論首は鎖に繋がれている。
引っ張ってみると、擦れた鎖がガチャリと音を響かせた。首を痛めただけで、もちろん自由にはなれなかった。
「··········。」
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