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しおりを挟む全寮制の男子校、私立掟聖学園には、学力向上を目的としたある特殊制度が存在した。
通称、掟聖ペア制度。三年と二年の生徒が二人一組のペアを作り、三年は二年の学業の面倒を、二年は三年の身の回りの手伝いをする。
ペアになる方法は至ってシンプルだ。新学期と共に、二年の生徒には全員にペンダントネックレスが支給される。ペアを申し込む三年がそのペンダントに指紋をかざし名乗れば、申請が完了する。
審査の上ペアが認められれば、これは三年が卒業を迎えるまで有効とされる。
翌朝、優介は目を覚ますや否や、洗面所に駆け込んだ。
寝衣を脱ぎ捨て、姿見へと身を乗り出す。
ペンダントには緑の光が点滅している。司とのペアが正式に認められた証拠だった。
「あああああ」
優介は叫んで、がっくりと肩を落とした。
家事は苦手で、成績は下の下。唯一まともな運動神経なんて、ペア制度においてなんの価値も持たない。
「おい!まだ洗面所使ってるのか?」
同室の生徒の声にもう終わると言い返し、優介はのそのそと身支度に取りかかる。
戦場へ行くかの如く重苦しい表情の優介に、脳天気なルームメイトは大きな欠伸をしてみせた。
「今日の授業はここまで。しっかりと復習して今度の定期テストに備えるように」
ホームルーム担任兼数学科担当の山下が小言を挟む。
生徒たちは口々に不平不満をもらした。
「えー、それから」
中指で眼鏡を持ち上げ、山下は教室を見渡す。
優介は、蛇のような目と一瞬視線が合った気がし、慌てて明後日の方向を見た。
「入谷」
案の定、名前を呼ばれた。
「放課後、職員室に来なさい」
容赦なく告げた山下が教室を出ていき、チャイムを合図に、生徒たちはワラワラと動き出す。
「お前、何したの」
さっそくやってきたのは、クラスメイトの大輝と隼人だ。
職員室への呼び出しをからかうつもりなのだろう。
「別に」
優介は不愛想に返答した。
「心当たりが多すぎて分からないんだろ」
大輝が間髪入れず嫌味を言う。快活に笑う褐色の青年をじろりと睨みつけ、優介は歯をむき出した。
「大輝だって赤点だったくせに」
「一桁と一緒にされたくありませーん」
大樹とは、顔を合わせれば言い合いばかりだ。二人のやり取りを笑っていた隼人は、そういえば、と思い出したように話題を変えた。
「お前ら、ペア決まった?」
優介の耳に痛い話題だった。
今日から、あの恐ろしい先輩にこき使われる。
2人がペアの話で盛り上がっているのを横目に、優介は机に突っ伏した。
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