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クリスマスデート お昼とデザート
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パンフレットに載っているレストランに行くことにした僕達。 そのバス内でも色々な料理に目を配っていた。
「こういったところで食べるなら、やっぱりその国の料理を食べてみたいよね。 安見さんもそう思うでしょ?」
「・・・え!? あ、そ、そうですね! やっぱり郷土料理はとても興味があります! はい!」
僕が質問をすると安見さんは慌てたように返事してきた。 これは多分料理をずっと見ていたんだな? そう言えば安見さんの趣味って食べ歩きだったっけ。
「・・・うぅ~・・・」
そう考えていたら、何故か安見さんが唸りながら僕を睨んでいた。 そんなに機嫌を悪くするような事をしただろうか? 確かに色々と吟味していたのに、急に声をかけられたらビックリするとは思ったけれど。 すると今度は困ったような顔になり、
「・・・食い意地の張った女の子って、男子から嫌われるとなにかで見たことがありまして・・・」
あぁ、そういうことか。 カップルにおける女子の傾向的ななにかを見て、それに反応してしまったんだな。
「そんなのは人の個性だし、それを嫌っちゃったら安見さんの個性を台無しにするじゃないか。 僕は気にしないよ。」
そう笑って語りかける。 それを聞いて安見さんは少しホッとしたようで、柔らかい笑顔を向けてきてくれた。
「いらっしゃいませ。」
園内バスで揺られること15分程、僕達は目的のレストランに到着して、早速中に入った。 ガラス越しからでも分かるようにお客さんでいっぱいだった。
「ただいまお席が空いていないじょうたいでありまして、30分程待機してもらうことになるのですが、よろしいでしょうか?」
時刻は午後1時、確かにお昼時としては丁度いい時間であるためこの混み具合も納得できる。 安見さんの方をチラリと見ると、こっくりと頷いてきた。 どうやら問題は無いようだ。
「大丈夫です。」
「かしこまりました。 ではこちらの名簿にお客様の名前をお書きください。 メニューをお渡しいたします。」
そう言って僕は名簿に名前を書いて、待機席に戻る。 安見さんは先程もらったメニューをもらって、1人悩んでいた。
「どう? なにか良いものでもあった?」
「光輝君。 今日はクリスマスですよね。」
「イベントとかで忘れかけそうになってたけれど、そうだね。」
「ならばこれがいいかと思いまして。」
そこにかかれていたのはジャガイモとアンチョビを使ったチーズグラタンと説明されている料理だった。
「グラタンかぁ。 でもどうしてこれを?」
「スウェーデン特有のミートボールとデザートとセットにするとお得なんです。」
意外とそこは現金なのね。 まあ安くすむことはいいことだし、なにより写真からしてもお世辞無しに美味しそうなのだ。 郷土料理ならば頼んでみても損はないだろう。
「お待たせいたしました。 2名様でお待ちの館様。 お席が空きましたのでご案内致します。」
「席が空いたみたいだよ。 行こう。」
「ええ。」
そうして席に案内されてそのまま着席する。 レストランだけれどちょっとお洒落な雰囲気で、大人な気分になれる。
「お料理はお決まりでしょうか?」
「では、このクリスマスセット料理を2人分お願いいたします。」
「かしこまりました。 それでは少々お待ちください。」
僕としてもどんなものが出てくるか楽しみだ。 周りを見てみても、それぞれで色んな料理に舌鼓を打っている人ばかりだ。 これは期待してしまう。
「お待たせいたしました。 まずはこちらのグラタン、「ヤンソンの誘惑」と呼ばれる料理になります。」
待つこと20分程。 ようやく料理が運ばれてきた。 店員さんが言っていた「ヤンソンの誘惑」というのが、この料理の名前らしい。 不思議な名前だ。 だけれど僕個人としてはグラタンなんていつ以来か分からないほど食べていなかったので、久しぶりのチーズの焼けた匂いに頬が緩む。
「一緒にお持ちいたしましたお飲み物はこちら「ユールムスト」と呼ばれる、スウェーデンではクリスマス限定で発売されるコーラのような飲み物です。」
へぇ、クリスマス限定の飲み物なんてあるんだ。 ワイングラスに入っている黒の液体の中に、気泡が上がっているのが凄く綺麗に見える。
「ユールムストは注文していただければおかわりをお持ち致します。 こちらは何杯飲んでも料金には反映されませんので。 またデザートの方は、お客様のタイミングでお持ち致しますので。 それではごゆっくりお楽しみ下さい。」
そう言ってウェイターさんは厨房の方に戻って、別の注文をお盆に乗せていた。
「それじゃあ安見さん。 食べよう・・・安見さん?」
料理を前にしたにも関わらず反応がない安見さんを見てみると、待つのが長かったのか首がこっくりこっくりと動いていた。 こう言ってしまっては失礼だが楽しみにしていたのは安見さんなのにその本人が寝てしまっていたら意味がないのでは無いかと思う。 僕の彼女は相変わらずマイペースであると思った。
「安見さん。 料理がきたよ。 早く食べないと冷めちゃうよ。」
その言葉に反応したのか、それとも料理の匂いに反応したのか、肩を「ピクリ」と動かして、眠気眼を擦りながら目を覚ました。
「・・・あぁ、すみません。 眠ってしまっていました。 料理はきているのですね。 早速食べましょうか。」
「あ、待って。 グラタンだから凄く熱いと思うから、今は小分けするよ。」
そう言って僕は取り分け用のスプーンを使ってお皿に盛って、安見さんの前に渡す。
「はい安見さんの分・・・」
そう言いながら安見さんの方を見ると、安見さんの小さな口が少しだけ開けられて、その状態で安見さんは動かないでいた。
「・・・へ?」
「むぅ、鈍いですねぇ。 こういった機会なので食べさせても文句は言われないでしょう?」
そう安見さんは言うが、いきなり「あーん」の体勢に入られてもこちらが困惑するのであって。 とは言ってもやらない道理はないので、そのまま流れでしてあげよう・・・と思った時、熱いということを自分で言って忘れそうになっていたので、スプーンに乗ったグラタンを、「ふー、ふー」と冷ました後に、安見さんの小さな口に入れる。 安見さんはモゴモゴと咀嚼をしていた。 目を瞑って口を動かしている時は味をちゃんと見ている時だ。
「どう?」
「・・・ゴクン。 美味しいですよ。 とても。」
それは良かったと思い、僕も自分の分をよそって食べる。
チーズのコクとジャガイモのホクホク加減、アンチョビの苦さが相まってとても美味しい。
すると安見さんはそんな僕の光景を見ながら、神妙な面持ちになっていた。
「・・・間接ならすぐに出来るんですけど・・・」
安見さんはなにかを言っていたようだけれど、僕には聞こえなかった。
「最後にデザートの「ハッロングロットム」でございます。 ユールムストとの相性は抜群かと。」
そう言って出てきたのは1つの焼き菓子、真ん中にジャムが入っているもので、シンプルだけれどどこか愛着のわく形をしていた。
早速一口食べると、焼き菓子なのに食感は柔らかく、ジャムも甘さ控えめの感じで個人的に好みのお菓子だ。
「これは是非とも皆さんに食べてもらいたいです。」
安見さんも同じ様なことを考えたようで、デザートの時間もゆっくりと味わった。
「こういったところで食べるなら、やっぱりその国の料理を食べてみたいよね。 安見さんもそう思うでしょ?」
「・・・え!? あ、そ、そうですね! やっぱり郷土料理はとても興味があります! はい!」
僕が質問をすると安見さんは慌てたように返事してきた。 これは多分料理をずっと見ていたんだな? そう言えば安見さんの趣味って食べ歩きだったっけ。
「・・・うぅ~・・・」
そう考えていたら、何故か安見さんが唸りながら僕を睨んでいた。 そんなに機嫌を悪くするような事をしただろうか? 確かに色々と吟味していたのに、急に声をかけられたらビックリするとは思ったけれど。 すると今度は困ったような顔になり、
「・・・食い意地の張った女の子って、男子から嫌われるとなにかで見たことがありまして・・・」
あぁ、そういうことか。 カップルにおける女子の傾向的ななにかを見て、それに反応してしまったんだな。
「そんなのは人の個性だし、それを嫌っちゃったら安見さんの個性を台無しにするじゃないか。 僕は気にしないよ。」
そう笑って語りかける。 それを聞いて安見さんは少しホッとしたようで、柔らかい笑顔を向けてきてくれた。
「いらっしゃいませ。」
園内バスで揺られること15分程、僕達は目的のレストランに到着して、早速中に入った。 ガラス越しからでも分かるようにお客さんでいっぱいだった。
「ただいまお席が空いていないじょうたいでありまして、30分程待機してもらうことになるのですが、よろしいでしょうか?」
時刻は午後1時、確かにお昼時としては丁度いい時間であるためこの混み具合も納得できる。 安見さんの方をチラリと見ると、こっくりと頷いてきた。 どうやら問題は無いようだ。
「大丈夫です。」
「かしこまりました。 ではこちらの名簿にお客様の名前をお書きください。 メニューをお渡しいたします。」
そう言って僕は名簿に名前を書いて、待機席に戻る。 安見さんは先程もらったメニューをもらって、1人悩んでいた。
「どう? なにか良いものでもあった?」
「光輝君。 今日はクリスマスですよね。」
「イベントとかで忘れかけそうになってたけれど、そうだね。」
「ならばこれがいいかと思いまして。」
そこにかかれていたのはジャガイモとアンチョビを使ったチーズグラタンと説明されている料理だった。
「グラタンかぁ。 でもどうしてこれを?」
「スウェーデン特有のミートボールとデザートとセットにするとお得なんです。」
意外とそこは現金なのね。 まあ安くすむことはいいことだし、なにより写真からしてもお世辞無しに美味しそうなのだ。 郷土料理ならば頼んでみても損はないだろう。
「お待たせいたしました。 2名様でお待ちの館様。 お席が空きましたのでご案内致します。」
「席が空いたみたいだよ。 行こう。」
「ええ。」
そうして席に案内されてそのまま着席する。 レストランだけれどちょっとお洒落な雰囲気で、大人な気分になれる。
「お料理はお決まりでしょうか?」
「では、このクリスマスセット料理を2人分お願いいたします。」
「かしこまりました。 それでは少々お待ちください。」
僕としてもどんなものが出てくるか楽しみだ。 周りを見てみても、それぞれで色んな料理に舌鼓を打っている人ばかりだ。 これは期待してしまう。
「お待たせいたしました。 まずはこちらのグラタン、「ヤンソンの誘惑」と呼ばれる料理になります。」
待つこと20分程。 ようやく料理が運ばれてきた。 店員さんが言っていた「ヤンソンの誘惑」というのが、この料理の名前らしい。 不思議な名前だ。 だけれど僕個人としてはグラタンなんていつ以来か分からないほど食べていなかったので、久しぶりのチーズの焼けた匂いに頬が緩む。
「一緒にお持ちいたしましたお飲み物はこちら「ユールムスト」と呼ばれる、スウェーデンではクリスマス限定で発売されるコーラのような飲み物です。」
へぇ、クリスマス限定の飲み物なんてあるんだ。 ワイングラスに入っている黒の液体の中に、気泡が上がっているのが凄く綺麗に見える。
「ユールムストは注文していただければおかわりをお持ち致します。 こちらは何杯飲んでも料金には反映されませんので。 またデザートの方は、お客様のタイミングでお持ち致しますので。 それではごゆっくりお楽しみ下さい。」
そう言ってウェイターさんは厨房の方に戻って、別の注文をお盆に乗せていた。
「それじゃあ安見さん。 食べよう・・・安見さん?」
料理を前にしたにも関わらず反応がない安見さんを見てみると、待つのが長かったのか首がこっくりこっくりと動いていた。 こう言ってしまっては失礼だが楽しみにしていたのは安見さんなのにその本人が寝てしまっていたら意味がないのでは無いかと思う。 僕の彼女は相変わらずマイペースであると思った。
「安見さん。 料理がきたよ。 早く食べないと冷めちゃうよ。」
その言葉に反応したのか、それとも料理の匂いに反応したのか、肩を「ピクリ」と動かして、眠気眼を擦りながら目を覚ました。
「・・・あぁ、すみません。 眠ってしまっていました。 料理はきているのですね。 早速食べましょうか。」
「あ、待って。 グラタンだから凄く熱いと思うから、今は小分けするよ。」
そう言って僕は取り分け用のスプーンを使ってお皿に盛って、安見さんの前に渡す。
「はい安見さんの分・・・」
そう言いながら安見さんの方を見ると、安見さんの小さな口が少しだけ開けられて、その状態で安見さんは動かないでいた。
「・・・へ?」
「むぅ、鈍いですねぇ。 こういった機会なので食べさせても文句は言われないでしょう?」
そう安見さんは言うが、いきなり「あーん」の体勢に入られてもこちらが困惑するのであって。 とは言ってもやらない道理はないので、そのまま流れでしてあげよう・・・と思った時、熱いということを自分で言って忘れそうになっていたので、スプーンに乗ったグラタンを、「ふー、ふー」と冷ました後に、安見さんの小さな口に入れる。 安見さんはモゴモゴと咀嚼をしていた。 目を瞑って口を動かしている時は味をちゃんと見ている時だ。
「どう?」
「・・・ゴクン。 美味しいですよ。 とても。」
それは良かったと思い、僕も自分の分をよそって食べる。
チーズのコクとジャガイモのホクホク加減、アンチョビの苦さが相まってとても美味しい。
すると安見さんはそんな僕の光景を見ながら、神妙な面持ちになっていた。
「・・・間接ならすぐに出来るんですけど・・・」
安見さんはなにかを言っていたようだけれど、僕には聞こえなかった。
「最後にデザートの「ハッロングロットム」でございます。 ユールムストとの相性は抜群かと。」
そう言って出てきたのは1つの焼き菓子、真ん中にジャムが入っているもので、シンプルだけれどどこか愛着のわく形をしていた。
早速一口食べると、焼き菓子なのに食感は柔らかく、ジャムも甘さ控えめの感じで個人的に好みのお菓子だ。
「これは是非とも皆さんに食べてもらいたいです。」
安見さんも同じ様なことを考えたようで、デザートの時間もゆっくりと味わった。
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