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ファッションショー 準備編
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「俺達をコーディネートしたんだから、女子をコーディネートしても問題ないよな?」
4階フロアにある女性専門の服を多く集めているお店にいく途中で、小舞君がそんな発言をする。
「小舞君よ。 なにもそこまでする必要は・・・」
「うーん、一理あるわね。 あなた達のファッションセンスは興味あるし。」
坂内君が突っ込もうとしたところに濱井さんが納得したように頷いている。 その言葉を聞いた坂内君は「いいのか!?」と言った表情で濱井さんを見た。
「まあ、平等さを言うのならばそれもいいですね。 私たちも今回は買う予定ではないので、せっかくなので私たちもコーディネートしてもらいましょうか。」
その提案に乗ったのは安見さんだった。 意外とこういうのを楽しんでる?
「しかし今回はどうするんだい? さっきみたいに1人をコーディネートするのかい?」
「いえ、それならこのアプリで決めましょう。」
そう言って江ノ島さんが出したアプリは、よくテーブルゲームとかで使われると思われる「サイコロアプリ」だった。
「これで10面ダイスを2個出して、男女それぞれで、数字の大きい順で決めましょう。」
「ちょっと待って。 それだと女子の方は1人余らない?」
「余った人は再度振り直して、男子側の一番近い数字の人にコーディネートしてもらうという形にしましょう。 確認のために赤色を10の位、青色を1の位としました。 またどちらの数字も「0」の場合は「100」扱いとします。 ちなみにあまりの女子は一番低い人とします。」
江ノ島さんがなんかイキイキし始めた。 もしかして江ノ島さんってボードゲームとか好きな人なのかな? でも模型部の塗料の話で小舞君と話が盛り上がるくらいだからもしかしたらあり得るかもしれない。
そして1人ずつ江ノ島さんの携帯のサイコロアプリをタップして、それぞれ決めていく。
結果としては男子は 僕(館 光輝):43 小舞君:87 坂内君:16
女子が 安見さん:02 濱井さん:79 円藤さん:33 江ノ島さん:09
となったので、僕は円藤さん、坂内君は江ノ島さん、小舞君は濱井さんとなった。
「ではもう一度振らせていただきますね。」
そして振られたダイスの目は・・・・・・50
「じゃあ館君が2人分のコーデをしてもらおうかな。 時間はどうする?」
「今が1時位ですので館さんの事を考慮して1時間後に試着室に集合しましょう。」
「え? 一緒についてくるの?」
「ここは女子の服専門店よ? そこで男子が1人で物色していたら拒絶されるわよ?」
「濱井さんの言う通りだ。 彼女達は口出しはしないけれど、常に見られていると言うことも意識しなければならないよ。 小舞君。」
「了解。 全員ついてくるんだハンデは全員同じ・・・・・・じゃねぇな。 1人で2人分のコーデをしなきゃいけない館がいたわ。」
ほっといて。 その言葉を皮切りに、コーデを選び始める。
2人に見合ったものかぁ・・・・・・ そう思いながら改めて2人を見てみる。
安見さんはプロポーションがいい。 多分あれがよくファッションモデルが言っている「八頭身」というものだろう。 そして顔の方が整っていると素人目の僕でも分かるくらいだ。 確かに「理想の彼女」の典型的な例とも言えるかもしれない。 すぐ寝るのが玉に瑕だけど。
一方の円藤さんは小柄な体型で恥ずかしがり屋ではあるが、それも相まって童顔なので、人気は少なからずあると思う。 安見さんが美人系なら、円藤さんは幼女系になるのかな? 本人に言ったら流石に怒られそうだけど。
そんな2人のコーデを一気に任された僕は、さっきから頭の中の彼女達の着せ替えをしている。 ある服を見れば、想像で合わせて、外してみる。 完全に脳内着せ替え人形状態だ。 自分自身のファッションですら怪しいのに、他人のコーデ、ましてや女子のコーデなど一筋縄で行くわけがない。 そもそもどうやって勝敗とかつけるの?
「あの、館さん・・・ 館さんが、思うように、動いてください。 私は、館さんが、選んでくれた服を、馬鹿になんて、させませんから。」
「大丈夫ですよ。 きっと無難になってしまうかもしれませんが、そんなことは気にしません。 それを選んでくれるのが館君なら尚更です。 あのお二方でも同じことを言うかもしれないと思っているかもしれませんが、こんなことを言うのは館君だからです。」
緊張と焦りとパニックで限界だった頭に響いた2人の声。 その声ははっきりと聞こえていて、僕は一度深呼吸をした。
「ありがとう2人とも。 僕なりにやってみるよ。」
「その意気ですよ! 館君!」
「頑張ってください! 館さん!」
勝ち負けなんかどうでもいい。 彼女達に合えば良いんだ。 それ以上でもそれ以下でもない。 そうだろう? 館 光輝!
時計をチラリと見ると開始から15分が過ぎていた。 濃厚な15分をありがとうよ。 少々気合いを入れますか!
そして選んでいるうちにあっという間に時間が過ぎて、集合時間になったので試着室につく。 すると他のペアが今か今かと待ちわびていた。
「お前にしては遅かったな。 随分とお悩みだったようだな。 そんなんでこの勝負に勝てるのか?」
「江ノ島さんを不快な思いはさせない。 そんな思いで選んできた。 君達も彼女達の風貌に合うような服装にしてきたんだろうね?」
「当然。 僕も久しぶりに本気で選んできたんだ。 恨みっこは無しだよ。」
僕、坂内君、小舞君の間でバチバチと目線の火花が飛び交う。 競うことはあまり好きではないが、こういう場面も悪くはない。
「みんな本気みたいですね。」
「そのようですね。 皆さんなかなか見られない表情が見られたのではないですか?」
「私も小舞君の姿見て別人かと思っちゃったもん。 あ、じゃあ私たちは着替えてくるからね。」
なにか話し合った後に女子達は試着室へと入っていった。 というか誰かが止めてくれないと疲れるんだけど。
4階フロアにある女性専門の服を多く集めているお店にいく途中で、小舞君がそんな発言をする。
「小舞君よ。 なにもそこまでする必要は・・・」
「うーん、一理あるわね。 あなた達のファッションセンスは興味あるし。」
坂内君が突っ込もうとしたところに濱井さんが納得したように頷いている。 その言葉を聞いた坂内君は「いいのか!?」と言った表情で濱井さんを見た。
「まあ、平等さを言うのならばそれもいいですね。 私たちも今回は買う予定ではないので、せっかくなので私たちもコーディネートしてもらいましょうか。」
その提案に乗ったのは安見さんだった。 意外とこういうのを楽しんでる?
「しかし今回はどうするんだい? さっきみたいに1人をコーディネートするのかい?」
「いえ、それならこのアプリで決めましょう。」
そう言って江ノ島さんが出したアプリは、よくテーブルゲームとかで使われると思われる「サイコロアプリ」だった。
「これで10面ダイスを2個出して、男女それぞれで、数字の大きい順で決めましょう。」
「ちょっと待って。 それだと女子の方は1人余らない?」
「余った人は再度振り直して、男子側の一番近い数字の人にコーディネートしてもらうという形にしましょう。 確認のために赤色を10の位、青色を1の位としました。 またどちらの数字も「0」の場合は「100」扱いとします。 ちなみにあまりの女子は一番低い人とします。」
江ノ島さんがなんかイキイキし始めた。 もしかして江ノ島さんってボードゲームとか好きな人なのかな? でも模型部の塗料の話で小舞君と話が盛り上がるくらいだからもしかしたらあり得るかもしれない。
そして1人ずつ江ノ島さんの携帯のサイコロアプリをタップして、それぞれ決めていく。
結果としては男子は 僕(館 光輝):43 小舞君:87 坂内君:16
女子が 安見さん:02 濱井さん:79 円藤さん:33 江ノ島さん:09
となったので、僕は円藤さん、坂内君は江ノ島さん、小舞君は濱井さんとなった。
「ではもう一度振らせていただきますね。」
そして振られたダイスの目は・・・・・・50
「じゃあ館君が2人分のコーデをしてもらおうかな。 時間はどうする?」
「今が1時位ですので館さんの事を考慮して1時間後に試着室に集合しましょう。」
「え? 一緒についてくるの?」
「ここは女子の服専門店よ? そこで男子が1人で物色していたら拒絶されるわよ?」
「濱井さんの言う通りだ。 彼女達は口出しはしないけれど、常に見られていると言うことも意識しなければならないよ。 小舞君。」
「了解。 全員ついてくるんだハンデは全員同じ・・・・・・じゃねぇな。 1人で2人分のコーデをしなきゃいけない館がいたわ。」
ほっといて。 その言葉を皮切りに、コーデを選び始める。
2人に見合ったものかぁ・・・・・・ そう思いながら改めて2人を見てみる。
安見さんはプロポーションがいい。 多分あれがよくファッションモデルが言っている「八頭身」というものだろう。 そして顔の方が整っていると素人目の僕でも分かるくらいだ。 確かに「理想の彼女」の典型的な例とも言えるかもしれない。 すぐ寝るのが玉に瑕だけど。
一方の円藤さんは小柄な体型で恥ずかしがり屋ではあるが、それも相まって童顔なので、人気は少なからずあると思う。 安見さんが美人系なら、円藤さんは幼女系になるのかな? 本人に言ったら流石に怒られそうだけど。
そんな2人のコーデを一気に任された僕は、さっきから頭の中の彼女達の着せ替えをしている。 ある服を見れば、想像で合わせて、外してみる。 完全に脳内着せ替え人形状態だ。 自分自身のファッションですら怪しいのに、他人のコーデ、ましてや女子のコーデなど一筋縄で行くわけがない。 そもそもどうやって勝敗とかつけるの?
「あの、館さん・・・ 館さんが、思うように、動いてください。 私は、館さんが、選んでくれた服を、馬鹿になんて、させませんから。」
「大丈夫ですよ。 きっと無難になってしまうかもしれませんが、そんなことは気にしません。 それを選んでくれるのが館君なら尚更です。 あのお二方でも同じことを言うかもしれないと思っているかもしれませんが、こんなことを言うのは館君だからです。」
緊張と焦りとパニックで限界だった頭に響いた2人の声。 その声ははっきりと聞こえていて、僕は一度深呼吸をした。
「ありがとう2人とも。 僕なりにやってみるよ。」
「その意気ですよ! 館君!」
「頑張ってください! 館さん!」
勝ち負けなんかどうでもいい。 彼女達に合えば良いんだ。 それ以上でもそれ以下でもない。 そうだろう? 館 光輝!
時計をチラリと見ると開始から15分が過ぎていた。 濃厚な15分をありがとうよ。 少々気合いを入れますか!
そして選んでいるうちにあっという間に時間が過ぎて、集合時間になったので試着室につく。 すると他のペアが今か今かと待ちわびていた。
「お前にしては遅かったな。 随分とお悩みだったようだな。 そんなんでこの勝負に勝てるのか?」
「江ノ島さんを不快な思いはさせない。 そんな思いで選んできた。 君達も彼女達の風貌に合うような服装にしてきたんだろうね?」
「当然。 僕も久しぶりに本気で選んできたんだ。 恨みっこは無しだよ。」
僕、坂内君、小舞君の間でバチバチと目線の火花が飛び交う。 競うことはあまり好きではないが、こういう場面も悪くはない。
「みんな本気みたいですね。」
「そのようですね。 皆さんなかなか見られない表情が見られたのではないですか?」
「私も小舞君の姿見て別人かと思っちゃったもん。 あ、じゃあ私たちは着替えてくるからね。」
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