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クラスメイト
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入学式も無事に終えて、体育館から教室棟へと抜ける為の廊下を歩き、全員新入生だろう生徒が集まっている張り紙近くに行く。
ここにかかれているのは所謂「クラス名簿」。 ここで新たな仲間と過ごす教室のどこに配置されているのかが分かる。
「とはいえ人多すぎでしょ・・・・・・」
もうその廊下はてんやわんや状態になっている。 推測だが、前で見ている生徒が出たくてしょうがないのに対して、後ろの生徒が我先にと自分のクラスを見たいので、後ろから圧される形になり、結果的に前は出れず、後ろは見えずの状態なのだ。 ほとぼりが冷めるのが何時になるのか分からないが、流石にこの波に入りたくはない。 というか1ヶ所だけに配置するのは駄目なんじゃないかな? 先生も流石に分かりきってる事だと思うんだけど・・・・・・
「とりあえず僕はどのクラスかな・・・・・・っとと、危ないや。 ・・・・・・あ、見つけた。 2組か。」
確認が出来たのならもうここにいる必要はない。 さっさと退場して2組へと向かうとしましょう。
「やっぱりほとんど来てないか・・・・・・」
まああれだけの渋滞具合じゃあ見ることすらもままならないのかも。 そんなことを思いつつも自分の指定された席、三角柱の折り紙を横に倒して、その一面に「館 光輝」と書かれた席に座った。 ちなみに場所は教室中央の左側最後尾になっていた。 縦7列の横6列の、計42人が入るようになっている。
「ふぅ・・・・・・やっと着いた・・・・・・ もう見にくいったらありゃしないよね。」
「ここが2組か。 さてと俺の席、俺の席はっと。」
少し時間が経ち、ぞろぞろとクラスメイトが入ってきた。 高校ということでほとんど見知った顔はいない。 当然と言えば当然だがなんだか心細くなってしまう。
「ここが2組か。 ん? おお! 知り合い発見!」
そんな声がクラス内に響く。 誰かと思ったら確かに自分の見知った人物だった。 その声をあげた人物は、躊躇いなく僕の席へと歩を進ませ、僕の机の前に立った。
「やぁやぁ、君もこのクラスだったのか。 この学校にはあまり知り合いがいないみたいだからね。 こういう人材は貴重だよね。 館君。」
「そうだね。 僕を覚えててくれたことに感謝するよ。 坂内君。」
七三分けの髪で、猫目をしている目の前の人物。 坂内 良樹さかない よしきは中学の同級生だ。 しかしあまり面識がないと思っていた。
「忘れないさ。 なんだかんだ私は君に助けられた部分だってあるんだよ?」
「そんなことしたっけ? 僕はあんまり覚えてないんだけど?」
「おや。 君自身は気付いていないようだね。 それとも無意識でやってるのかな? 意外かもしれないけれど、君のファンはそれなりにいたんだよ。」
それは知らなかったな。 多分知っていても反応に困ったかもしれないけれど。
「それじゃあ、これから1年間よろしくね。」
「うん。 よろしく。」
そういって坂内は用意されている自分の席に着く。 確かに知り合いがいるだけでなんだかホッとする。 しかしまさかこちらが覚えていない知り合いと一緒のクラスになるとは思わなかったな。 中学の友達は全員バラバラになってしまったし。 会えないことは無いけれど。
そのような感じで少しばかり感傷に浸っていると大分クラスメイトが集まってきたようで、教室内が騒がしくなってくる。 空いている席ももう数席しかない。 ちなみに僕の隣の席も空いている。 さてさて誰が隣に来るのやら。
ぼんやりと教室の様子を見ていると隣から音がした。 おっ、隣の人が来たようだ。 そう思いながら隣を見ると・・・・・・
「おや、先ほどぶりですね。」
まさかの見知った顔、しかも今朝方あったばかりの須今 安見さんだった。 あまりの驚きに少し仰け反ってしまった。
「そんなに驚く事ですかね? 同じクラスになったのですから。」
「いや、まさかこんなに早く再開することになるとは思ってなかったから。」
「確かにそうですね。 それでは。」
そういって椅子に座った瞬間に突っ伏してしまう。 え? まさか?
「須今さん? 須今さーん?」
返事がない、明らかに先ほどまで元気な人だった筈なのだが・・・・・・ そう思い彼女に近付くと、「スースー」と息をしているのが分かった。
・・・・・・って教室入ってすぐ寝るの!? 嘘でしょ!?
いきなりの行動に慌てていると、前方のドアが開き、眼鏡をかけていて少し痩せ細ったような男性が入ってきた。 おそらくこのクラスを請け負った担任だろう。
「うん。 全員いるね。 新入生諸君、初めまして。 私がこのクラスの担任になりました南川 正隆みなみかわ まさたかと言います。 これから1年間よろしくお願いいたします。」
軽く自己紹介をした後でお辞儀をする南川先生。 頼りなさそうだが、担任になってるので変な気持ちは捨ててしまおう。
「では本日はここまでとして、皆さんには明日自己紹介をしてもらおうと思うので、自分の得意なこと、趣味、最近はまっていることなど、簡潔に話せるように考えてきてください。 それでは解散とします。」
そういって先生が去った後にゾロゾロとクラスメイトが教室を出ていく。
「須今さん。 もう帰れるよ。」
体を揺らしながらそんなことを言うと、須今さんはむくりと起き上がった。
「おや、今日はそんなに眠れない日でしたか。 ふぁぁ・・・・・・それでは帰りますかね。」
「あ、そうだ。 先生がさっき、自己紹介の為に自分の事を簡潔に話せるようにしといてって。」
「あぁ、そうですかぁ。 わざわざありがとうございます。 それではまた明日です。 館さん。」
「う、うん。 また明日。」
お互いに別れの挨拶をした。 だが僕は思ったことがある。 須今さん、多分話聞き取れてないのではないか? と。 明日からこんな調子なのかなぁ?
ここにかかれているのは所謂「クラス名簿」。 ここで新たな仲間と過ごす教室のどこに配置されているのかが分かる。
「とはいえ人多すぎでしょ・・・・・・」
もうその廊下はてんやわんや状態になっている。 推測だが、前で見ている生徒が出たくてしょうがないのに対して、後ろの生徒が我先にと自分のクラスを見たいので、後ろから圧される形になり、結果的に前は出れず、後ろは見えずの状態なのだ。 ほとぼりが冷めるのが何時になるのか分からないが、流石にこの波に入りたくはない。 というか1ヶ所だけに配置するのは駄目なんじゃないかな? 先生も流石に分かりきってる事だと思うんだけど・・・・・・
「とりあえず僕はどのクラスかな・・・・・・っとと、危ないや。 ・・・・・・あ、見つけた。 2組か。」
確認が出来たのならもうここにいる必要はない。 さっさと退場して2組へと向かうとしましょう。
「やっぱりほとんど来てないか・・・・・・」
まああれだけの渋滞具合じゃあ見ることすらもままならないのかも。 そんなことを思いつつも自分の指定された席、三角柱の折り紙を横に倒して、その一面に「館 光輝」と書かれた席に座った。 ちなみに場所は教室中央の左側最後尾になっていた。 縦7列の横6列の、計42人が入るようになっている。
「ふぅ・・・・・・やっと着いた・・・・・・ もう見にくいったらありゃしないよね。」
「ここが2組か。 さてと俺の席、俺の席はっと。」
少し時間が経ち、ぞろぞろとクラスメイトが入ってきた。 高校ということでほとんど見知った顔はいない。 当然と言えば当然だがなんだか心細くなってしまう。
「ここが2組か。 ん? おお! 知り合い発見!」
そんな声がクラス内に響く。 誰かと思ったら確かに自分の見知った人物だった。 その声をあげた人物は、躊躇いなく僕の席へと歩を進ませ、僕の机の前に立った。
「やぁやぁ、君もこのクラスだったのか。 この学校にはあまり知り合いがいないみたいだからね。 こういう人材は貴重だよね。 館君。」
「そうだね。 僕を覚えててくれたことに感謝するよ。 坂内君。」
七三分けの髪で、猫目をしている目の前の人物。 坂内 良樹さかない よしきは中学の同級生だ。 しかしあまり面識がないと思っていた。
「忘れないさ。 なんだかんだ私は君に助けられた部分だってあるんだよ?」
「そんなことしたっけ? 僕はあんまり覚えてないんだけど?」
「おや。 君自身は気付いていないようだね。 それとも無意識でやってるのかな? 意外かもしれないけれど、君のファンはそれなりにいたんだよ。」
それは知らなかったな。 多分知っていても反応に困ったかもしれないけれど。
「それじゃあ、これから1年間よろしくね。」
「うん。 よろしく。」
そういって坂内は用意されている自分の席に着く。 確かに知り合いがいるだけでなんだかホッとする。 しかしまさかこちらが覚えていない知り合いと一緒のクラスになるとは思わなかったな。 中学の友達は全員バラバラになってしまったし。 会えないことは無いけれど。
そのような感じで少しばかり感傷に浸っていると大分クラスメイトが集まってきたようで、教室内が騒がしくなってくる。 空いている席ももう数席しかない。 ちなみに僕の隣の席も空いている。 さてさて誰が隣に来るのやら。
ぼんやりと教室の様子を見ていると隣から音がした。 おっ、隣の人が来たようだ。 そう思いながら隣を見ると・・・・・・
「おや、先ほどぶりですね。」
まさかの見知った顔、しかも今朝方あったばかりの須今 安見さんだった。 あまりの驚きに少し仰け反ってしまった。
「そんなに驚く事ですかね? 同じクラスになったのですから。」
「いや、まさかこんなに早く再開することになるとは思ってなかったから。」
「確かにそうですね。 それでは。」
そういって椅子に座った瞬間に突っ伏してしまう。 え? まさか?
「須今さん? 須今さーん?」
返事がない、明らかに先ほどまで元気な人だった筈なのだが・・・・・・ そう思い彼女に近付くと、「スースー」と息をしているのが分かった。
・・・・・・って教室入ってすぐ寝るの!? 嘘でしょ!?
いきなりの行動に慌てていると、前方のドアが開き、眼鏡をかけていて少し痩せ細ったような男性が入ってきた。 おそらくこのクラスを請け負った担任だろう。
「うん。 全員いるね。 新入生諸君、初めまして。 私がこのクラスの担任になりました南川 正隆みなみかわ まさたかと言います。 これから1年間よろしくお願いいたします。」
軽く自己紹介をした後でお辞儀をする南川先生。 頼りなさそうだが、担任になってるので変な気持ちは捨ててしまおう。
「では本日はここまでとして、皆さんには明日自己紹介をしてもらおうと思うので、自分の得意なこと、趣味、最近はまっていることなど、簡潔に話せるように考えてきてください。 それでは解散とします。」
そういって先生が去った後にゾロゾロとクラスメイトが教室を出ていく。
「須今さん。 もう帰れるよ。」
体を揺らしながらそんなことを言うと、須今さんはむくりと起き上がった。
「おや、今日はそんなに眠れない日でしたか。 ふぁぁ・・・・・・それでは帰りますかね。」
「あ、そうだ。 先生がさっき、自己紹介の為に自分の事を簡潔に話せるようにしといてって。」
「あぁ、そうですかぁ。 わざわざありがとうございます。 それではまた明日です。 館さん。」
「う、うん。 また明日。」
お互いに別れの挨拶をした。 だが僕は思ったことがある。 須今さん、多分話聞き取れてないのではないか? と。 明日からこんな調子なのかなぁ?
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