675 / 710
674、不一致 奏side
しおりを挟む
アニメが終わり最後の歌が流れた。
斗真さんの上に乗ったまま脚を動かすとちゃんと動いて安心した。
「ご飯作ってくるね、テレビ見てて良いよ。」
フルフル、
「一緒に行く。ごはん作る。」
慌てて立ち上がり斗真さんの服を掴む。
「…、一緒に行くのは良いけど大丈夫?無理しなくていいんだよ。」
「無理してない。ごはん作れる。」
「…分かった。一緒に行こうか。」
コクリ、
斗真さんと手を繋いでキッチンに入った。
さっきみたいに脚が変になることはなく入ることができた。
「どうしようかな、さっき言ってた炒め物かいつもの卵スープだったらどっちがいい?」
「……、」
「、奏くん?」
「………、っ、ぁ、ごめんなさい。」
「、卵スープにしようか。」
「………、」
やっぱりおかしい……、
ちゃんと斗真さんの声は聞こえてるしちゃんと見えてるのに…
息が苦しい
目に涙が溜まっていく
ふわ?
「これ着てな、大丈夫、ちょっと疲れてるだけだよ。」
斗真さんの上着を肩にかけてフードをかぶし、包み込むように抱きしめてくれた。
「大丈夫、ここに居るから、座って待っててね。」
ガクガク震える脚に気付きその場に座らせてくれた。
「できたよ。お待たせ、待ってくれてありがとね。向こうで食べようか。」
抱っこしてもらいソファーに座らせてもらった。
一緒に作るって言ったのに結局全部斗真さんにしてもらった。
何もできなかった。
こんなんだから僕は、____
「____、__くん!、奏くん!!」
「っ!!、」
「聞こえる?俺のこと見える?」
コクリ、
「良かったー、…大丈夫、頑張ったね。泣いていいよ。」
「…?」
泣きたくないのに勝手に涙が溢れ出した。
「ごめんなさい…」
「謝らなくていいよ、奏くんは何も悪くないからね。」
「僕…、僕は…、ゴックン、…ごめんなさい。」
「奏くん?、奏くん、俺の目見て。奏くんは何も悪くないよ。」
「……、」
硬くなった僕の心は斗真さんの言葉を受け入れてはくれなかった。
「……、」
「卵スープ飲も、お腹空いてるからしんどいのかもしれないよ。、ん、美味しい。」
斗真さんが作ってくれる卵スープは薬が入ってなくて美味しいし。
頭では分かってるのに…
唇は硬く閉じたたま、
どうして、
思い通りにいかないもどかしさと無意識に怯える体に心が追い付かず涙だけが溜まっていく。
「今は難しいね。また後で食べたくなったら食べよ。」
斗真さんの優しさすらも辛い。
いっその事、怒鳴って思い切り殴ってくれた方が楽になれる気がした。
気持ちの行き場がなく左腕に視線を向ける。
痛みが欲しい…
……、…なにこれ…
血…?
まだ出してないのに包帯が赤く染っていた、
「奏くん、」ビクッ!!!!
包帯に着いた血から視線を離せずにいると横から斗真さんに声を掛けられ、急いで袖を下ろし血を隠す。
左腕を背中に隠し少し距離を取る。
「腕痛む?さっきちょっと血出ちゃってね、明日、優咲先生に診てもらおうね。」
バレてる…、
心臓の音がうるさい。
血が出たってことは、
斗真さんにはされたことがないのに今までの固定概念が頭を一瞬で支配した。
「っ、ヒュ-、ッ…ガタガタガタ…」
「奏くん?!奏くん?、奏くん、大丈夫、大丈夫だよ。怒ってないよ。大丈夫だよ。」
頭の中が黒い絵の具でいっぱいになり恐怖が支配し前の人が誰なのかも分からなくなった。
「奏くん、大丈夫、大丈夫だよ。」
袖で口と鼻を塞がれ苦しさと恐怖で藻掻くが全く効かない。
「ゆっくり息しようね、大丈夫、大丈夫だからね。もうちょっと頑張ろうね。」
「っ!、!!」
「大丈夫、絶対治るからね、ゆっくーり、そう、上手だよ。」
少しずつ視界が晴れて斗真さんと目が合った。
「上手だったよ。頑張ったね、」
「ぅ゛……、」
「頑張ったね。偉いね。」
目の前にいたのが斗真さんと分かったら一気に恐怖から抜け出し、さっきまでの恐怖が嘘のように消えた。
斗真さんの上に乗ったまま脚を動かすとちゃんと動いて安心した。
「ご飯作ってくるね、テレビ見てて良いよ。」
フルフル、
「一緒に行く。ごはん作る。」
慌てて立ち上がり斗真さんの服を掴む。
「…、一緒に行くのは良いけど大丈夫?無理しなくていいんだよ。」
「無理してない。ごはん作れる。」
「…分かった。一緒に行こうか。」
コクリ、
斗真さんと手を繋いでキッチンに入った。
さっきみたいに脚が変になることはなく入ることができた。
「どうしようかな、さっき言ってた炒め物かいつもの卵スープだったらどっちがいい?」
「……、」
「、奏くん?」
「………、っ、ぁ、ごめんなさい。」
「、卵スープにしようか。」
「………、」
やっぱりおかしい……、
ちゃんと斗真さんの声は聞こえてるしちゃんと見えてるのに…
息が苦しい
目に涙が溜まっていく
ふわ?
「これ着てな、大丈夫、ちょっと疲れてるだけだよ。」
斗真さんの上着を肩にかけてフードをかぶし、包み込むように抱きしめてくれた。
「大丈夫、ここに居るから、座って待っててね。」
ガクガク震える脚に気付きその場に座らせてくれた。
「できたよ。お待たせ、待ってくれてありがとね。向こうで食べようか。」
抱っこしてもらいソファーに座らせてもらった。
一緒に作るって言ったのに結局全部斗真さんにしてもらった。
何もできなかった。
こんなんだから僕は、____
「____、__くん!、奏くん!!」
「っ!!、」
「聞こえる?俺のこと見える?」
コクリ、
「良かったー、…大丈夫、頑張ったね。泣いていいよ。」
「…?」
泣きたくないのに勝手に涙が溢れ出した。
「ごめんなさい…」
「謝らなくていいよ、奏くんは何も悪くないからね。」
「僕…、僕は…、ゴックン、…ごめんなさい。」
「奏くん?、奏くん、俺の目見て。奏くんは何も悪くないよ。」
「……、」
硬くなった僕の心は斗真さんの言葉を受け入れてはくれなかった。
「……、」
「卵スープ飲も、お腹空いてるからしんどいのかもしれないよ。、ん、美味しい。」
斗真さんが作ってくれる卵スープは薬が入ってなくて美味しいし。
頭では分かってるのに…
唇は硬く閉じたたま、
どうして、
思い通りにいかないもどかしさと無意識に怯える体に心が追い付かず涙だけが溜まっていく。
「今は難しいね。また後で食べたくなったら食べよ。」
斗真さんの優しさすらも辛い。
いっその事、怒鳴って思い切り殴ってくれた方が楽になれる気がした。
気持ちの行き場がなく左腕に視線を向ける。
痛みが欲しい…
……、…なにこれ…
血…?
まだ出してないのに包帯が赤く染っていた、
「奏くん、」ビクッ!!!!
包帯に着いた血から視線を離せずにいると横から斗真さんに声を掛けられ、急いで袖を下ろし血を隠す。
左腕を背中に隠し少し距離を取る。
「腕痛む?さっきちょっと血出ちゃってね、明日、優咲先生に診てもらおうね。」
バレてる…、
心臓の音がうるさい。
血が出たってことは、
斗真さんにはされたことがないのに今までの固定概念が頭を一瞬で支配した。
「っ、ヒュ-、ッ…ガタガタガタ…」
「奏くん?!奏くん?、奏くん、大丈夫、大丈夫だよ。怒ってないよ。大丈夫だよ。」
頭の中が黒い絵の具でいっぱいになり恐怖が支配し前の人が誰なのかも分からなくなった。
「奏くん、大丈夫、大丈夫だよ。」
袖で口と鼻を塞がれ苦しさと恐怖で藻掻くが全く効かない。
「ゆっくり息しようね、大丈夫、大丈夫だからね。もうちょっと頑張ろうね。」
「っ!、!!」
「大丈夫、絶対治るからね、ゆっくーり、そう、上手だよ。」
少しずつ視界が晴れて斗真さんと目が合った。
「上手だったよ。頑張ったね、」
「ぅ゛……、」
「頑張ったね。偉いね。」
目の前にいたのが斗真さんと分かったら一気に恐怖から抜け出し、さっきまでの恐怖が嘘のように消えた。
137
お気に入りに追加
843
あなたにおすすめの小説
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
言い逃げしたら5年後捕まった件について。
なるせ
BL
「ずっと、好きだよ。」
…長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。
もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。
ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。
そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…
なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!?
ーーーーー
美形×平凡っていいですよね、、、、
目が覚めたら囲まれてました
るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。
燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。
そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。
チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。
不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で!
独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる