こころ・ぽかぽか 〜お金以外の僕の価値〜

653、響の勇気 斗真side

勇気を出してやっと食べれたラムネがまさかの苦手な味だった。

せっかく頑張ってくれたのにな…

「………よく食べてるのどれ、」

「?、これかな、桃のゼリーご飯の後のデザートに食べてるよ。」

いつもは薬を混ぜてるけど今回は何も混ぜていない。
今は食べる経験をしてほしいし、
それに響には子ども騙しは通用しない気がする。
薬が入ってることがバレたら本当にもう食べてくれなくなるだろうな。

「…食べて、」

「いいよ、ん、甘くて美味しいよ。」

「………もう一口食べて、」

「いいよ。どこ食べてほしい?」

「…ここ」

「うん、美味しいよ。」

「ｼﾞ-､」

さっきより警戒している。
なんか感じ取ってるのかな、

今回は本当に薬は入れてないし堂々としとこう。

「………､」

スプーンに少量のゼリーを乗せてゼリーを見つめている。

響の勇気が出るまで静かに見守ることにした。