648 / 704
647、飲まない 響side
しおりを挟む
斗真は怒らない。
安心するけど怖い……
信じたくないのに信じようとする自分も怖い
「響、一杯だけでいいからお水飲んでほしい。」
「……いらない。」
「お願い、脱水になっちゃうから。一口だけでもいいから、」
「いらない。」
「ゴックン、ほら、何も入ってないよ。怖くないから、一口だけ飲んで。」
「いらない。」
さっきは飲まなくても何も言わなかったのに急にしつこく水を飲むよう勧めてきた。
口には何も入れたくない。
薬も疑ってるがそもそも口に何かが入る感覚が嫌いだ。
「お願い、さっき倒れたのも脱水が原因だと思うんだ。ちょっと汗もかいてるしお水飲も。」
「……いらない。」
喉は渇いてるけど飲みたくない気持ちの方が強く、「いらない」と言い続ける。
が、斗真は引き下がってくれない。
「飲まずに吐き出しても良いから一口だけ口に入れてみよ。」
「…………、やだ……」
「どうして?お水怖い?薬入ってないよ。」
「…別に……嫌なだけ、」
「…………、どうしたら飲めるかな……」
「飲まない。」
「お願い、」
「しつこい…」
「このままだと本当にしんどくなっちゃうよ。」
「…………、」
「……、飲まないならまた無理矢理飲ませることになっちゃうよ。」
「っ!!ビクッ、………もう一口…」
前、熱が出た時に口移しで無理矢理飲まされたことを思い出す。
抵抗しても舌をねじ込まれ飲んでしまった…
力づくで怖いし…あれはもう嫌だ…
「もう一口?俺が飲んだらいいの?」
「…コクリ、」
「ゴックン、飲んだよ。ほら、どうもないでしょ。」
「………ジ-、」
水を飲んだ斗真をじっと見つめる。
張り詰めた空気が流れる中、斗真がにこっと笑顔を向けてきた。
っ!!!
余裕こきやがって、
何となくムカついてコップの中に入った水を一気に喉に流し込んだ。
ゴックン、
「?!、凄いじゃん!頑張ったね!!偉いね!!」
勢いで飲んだけど不安と恐怖と後悔が押し寄せ無意識に斗真の服を掴んでいた。
斗真は何も言わずそっと強ばった俺の手を優しく包みこんだ。
安心するけど怖い……
信じたくないのに信じようとする自分も怖い
「響、一杯だけでいいからお水飲んでほしい。」
「……いらない。」
「お願い、脱水になっちゃうから。一口だけでもいいから、」
「いらない。」
「ゴックン、ほら、何も入ってないよ。怖くないから、一口だけ飲んで。」
「いらない。」
さっきは飲まなくても何も言わなかったのに急にしつこく水を飲むよう勧めてきた。
口には何も入れたくない。
薬も疑ってるがそもそも口に何かが入る感覚が嫌いだ。
「お願い、さっき倒れたのも脱水が原因だと思うんだ。ちょっと汗もかいてるしお水飲も。」
「……いらない。」
喉は渇いてるけど飲みたくない気持ちの方が強く、「いらない」と言い続ける。
が、斗真は引き下がってくれない。
「飲まずに吐き出しても良いから一口だけ口に入れてみよ。」
「…………、やだ……」
「どうして?お水怖い?薬入ってないよ。」
「…別に……嫌なだけ、」
「…………、どうしたら飲めるかな……」
「飲まない。」
「お願い、」
「しつこい…」
「このままだと本当にしんどくなっちゃうよ。」
「…………、」
「……、飲まないならまた無理矢理飲ませることになっちゃうよ。」
「っ!!ビクッ、………もう一口…」
前、熱が出た時に口移しで無理矢理飲まされたことを思い出す。
抵抗しても舌をねじ込まれ飲んでしまった…
力づくで怖いし…あれはもう嫌だ…
「もう一口?俺が飲んだらいいの?」
「…コクリ、」
「ゴックン、飲んだよ。ほら、どうもないでしょ。」
「………ジ-、」
水を飲んだ斗真をじっと見つめる。
張り詰めた空気が流れる中、斗真がにこっと笑顔を向けてきた。
っ!!!
余裕こきやがって、
何となくムカついてコップの中に入った水を一気に喉に流し込んだ。
ゴックン、
「?!、凄いじゃん!頑張ったね!!偉いね!!」
勢いで飲んだけど不安と恐怖と後悔が押し寄せ無意識に斗真の服を掴んでいた。
斗真は何も言わずそっと強ばった俺の手を優しく包みこんだ。
46
お気に入りに追加
837
あなたにおすすめの小説
少年ペット契約
眠りん
BL
※少年売買契約のスピンオフ作品です。
↑上記作品を知らなくても読めます。
小山内文和は貧乏な家庭に育ち、教育上よろしくない環境にいながらも、幸せな生活を送っていた。
趣味は布団でゴロゴロする事。
ある日学校から帰ってくると、部屋はもぬけの殻、両親はいなくなっており、借金取りにやってきたヤクザの組員に人身売買で売られる事になってしまった。
文和を購入したのは堂島雪夜。四十二歳の優しい雰囲気のおじさんだ。
文和は雪夜の養子となり、学校に通ったり、本当の子供のように愛された。
文和同様人身売買で買われて、堂島の元で育ったアラサー家政婦の金井栞も、サバサバした性格だが、文和に親切だ。
三年程を堂島の家で、呑気に雪夜や栞とゴロゴロした生活を送っていたのだが、ある日雪夜が人身売買の罪で逮捕されてしまった。
文和はゴロゴロ生活を守る為、雪夜が出所するまでの間、ペットにしてくれる人を探す事にした。
※前作と違い、エロは最初の頃少しだけで、あとはほぼないです。
※前作がシリアスで暗かったので、今回は明るめでやってます。
俺の義兄弟が凄いんだが
kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・
初投稿です。感想などお待ちしています。
変態村♂〜俺、やられます!〜
ゆきみまんじゅう
BL
地図から消えた村。
そこに肝試しに行った翔馬たち男3人。
暗闇から聞こえる不気味な足音、遠くから聞こえる笑い声。
必死に逃げる翔馬たちを救った村人に案内され、ある村へたどり着く。
その村は男しかおらず、翔馬たちが異変に気づく頃には、すでに囚われの身になってしまう。
果たして翔馬たちは、抱かれてしまう前に、村から脱出できるのだろうか?
ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。
クラスのボッチくんな僕が風邪をひいたら急激なモテ期が到来した件について。
とうふ
BL
題名そのままです。
クラスでボッチ陰キャな僕が風邪をひいた。友達もいないから、誰も心配してくれない。静かな部屋で落ち込んでいたが...モテ期の到来!?いつも無視してたクラスの人が、先生が、先輩が、部屋に押しかけてきた!あの、僕風邪なんですけど。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる