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644、胸のざわつき 響side

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さっきから胸のざわつきが治まらない。
斗真は俺に何もしないと言うが、それがいつまで続くかは分からない。
俺は自分の身を守るため斗真の機嫌を伺い痛みに備える。

「足冷たいね、リビングの方が暖かいよ。向こう行く?」

「…………、」

「立てる?」

ビクッ、…ムク、

斗真に続いて立ち上がりリビングに移動する。
さっきの部屋より明るくて暖房が効いてて暖かい。

いくら暖かくても俺には居心地が悪くてベランダを見てしまう。

「ベランダはもう暗いし寒いから出ないよ。」

「…………、」

斗真にそう言われ、行き場を無くした俺は床を見つめ立ち尽くす。

───、
見つめていた床が揺れ周りの空気がどんどん薄くなっていく。

立っていられなくなり気付いたら床に転がっていた。


「響!!響!!聞こえる?!響!!!!響!!!!!」

「…………、聞こえる」

意識ははっきりしてるけど、倒れた時に左肩を強打して激痛が走る。

「頭打ったよね?!痛いとこある?」

「…………、……別に、」

奥歯を噛み締め痛みを隠し、ゆっくりと起き上がる。

痛いとこなんて言えるわけがない。痛みがバレたら…考えるだけで頭の中が白くなる。

「痛いとこない?吐き気とかもない?」

「………、ない。」

触られるのが嫌で少し離れると手を引いてくれた。

「………、」




時間が経つにつれて少しずつ肩の痛みも落ち着いていった。
斗真はソファーに座りたまに俺の方を見てくる。
その度に目を合わすのが怖くて俯いてしまう。
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