こころ・ぽかぽか 〜お金以外の僕の価値〜

640、家に帰ってきてから 斗真side

外にいる間はいつもより近くにいてくれたから少し心を許してくれたのかなと思ったけど、家に帰ってきてからいつもの距離感に戻った。

心は許してないっていうオーラを感じる。

ﾑｸｯ、

「外はもう暗いから部屋にいてね。」

落ち着かずベランダに出ようとする響を止め、ソファーに座らせる。



ﾑｸｯ、

「もう暗いからベランダ出ないよ。」

「………､あっち……」

「寝室?眠いの?」

「…………………」

俯いて黙り込んでしまった。
きっと一人になりたいんだろう。
それは分かるけど、奏くんが自傷行為したこともあってできれば一人にはしたくない。

「落ち着かない?怖いことしないよ。」

「………………」

「響?」

「っ、知らない、」

「ぇ?、」

「……………､っ！」

ガチャ、

寝室に籠ってしまった。
……本当は一人にしたくないけど、少しそっとしておくか、

帰ってきてから余計警戒されてる気がする。
顔が強張り目が泳いでいた。
俺が怖いのか……､